経産省が、原発の廃炉費用について電力の自由化で参入した新電力には負担させない方針を固めました。
極めて当然のことですが、当初は原発の関連費用をすべて新電力にも負担させる計画であったため、この変更を読売新聞は一面トップで伝えました。
事故を起こした福島原発などを除いた全国50基の原発の廃炉費用は2・9兆円を要しますが、現時点で1・2兆円が不足しています。本来廃炉まで含めた作業が原発事業の一環であることから、原発事業者に自らの収益でこの費用を捻出させることにするものです。
その一方で、既設原発の建設費などの関連費用は送電料金に上乗せする形で新電力にも負担を求めることにしています。理屈に合わないことですが、原発の関連費用をそのような形で火力などに負担させないと、2020年以降の電力自由化に対応できないという訳です。
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廃炉費負担、原発事業者に責任 …新電力は除外へ
読売新聞 2016年10月23日
経済産業省は、運転を終了した原子力発電所を解体する廃炉費用について、原則として、大手電力などの原発事業者に自ら工面させる方針を固めた。
電力の小売り自由化で参入した新電力には負担させない。廃炉費用は現在、国が認可する規制料金となっている大手電力の小売料金に上乗せされている。規制料金が廃止される2020年以降の完全自由化を見込み、負担方法が焦点となっていた。
電力事業の規制緩和について議論している経産省の有識者会議が年内にまとめる報告書に盛り込まれる見通しだ。
原発を解体して安全な状態にする廃炉には、1基あたり300億~800億円規模の資金が必要となる。原発を運転する事業者は、廃炉作業のために「原発施設解体引当金」の積み立てが法令で義務づけられている。大手電力は利用者から小売料金を通じて徴収しているが、規制料金が適用されない新電力の利用者は負担していない。
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