米南部テネシー州のワッツバー原発2号機が営業運転を開始しました。米国で新規の原発が稼働したのは1996年の同原発1号機以来20年ぶりのことです。
原発は「安くてクリーンで安全」という神話はアメリカでは1970年代半ばに破綻しました。「経済的リスク」が大きいことが最大の原因で、リスクが顕在化した75年以降原発の発注は激減し、74年以後発注された物件で完成に至った原発はこれまでゼロでした(2号機は73年に着工後中断していました)。
今回例外的に稼働に至った理由は不明です。
(注. スリーマイル島原発事故は1978年に発生)
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新原発が稼働 米で20年ぶり
時事通信 2016年10月20日
【ワシントン時事】米電力会社テネシー渓谷開発公社(TVA)は19日、南部テネシー州のワッツバー原発2号機の営業運転を開始したと発表した。米国で新規の商用原子炉が稼働したのは、1996年の同原発1号機以来20年ぶり。米国で稼働している原発は計100基となった。
ワッツバー原発2号機は東芝傘下の米ウェスチングハウス製の加圧水型軽水炉を利用し、出力は115万キロワット。TVAは、1号機などと合わせ「450万超の世帯の電力需要に対応する」と表明した。稼働までの費用は47億ドル(約4900億円)という。
2号機は73年に着工したものの、79年の米スリーマイル島原発事故の影響で建設が中断。その後計画が再開し、米原子力規制委員会が昨年、2011年の東京電力福島第1原発事故後に策定した新たな安全指針に基づき、稼働を認可した。