2016年10月3日月曜日

大阪で反原発集会 新高速炉も非現実的と

 高速増殖原型炉「もんじゅ」などをテーマにした反原発の市民集会が1日、大阪市で開かれました。 「とめようもんじゅ関西連絡会」などが主催したもので、約600人が参加しました。
 小林圭二・元京都大原子炉実験所講師が「もんじゅは不必要で危険」、政府が核のごみを減らす名目で類似の高速炉の開発を掲げたことも「新たに複雑で高度な再処理工場が必要であり、非現実的である」と批判しまし
 政府は、フランスが進めてきた「アストリッド」の研究開発に合流する構想ですが、そこでも「もんじゅ」と同様に冷却材には危険な「液体ナトリウム」を用いるといわれています。増殖するのか減量するのかの違いはありますが、危険性は「もんじゅ」とまったく変わりません。
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反原発集会 「命を基準に税金の支出を」大阪で600人
毎日新聞 2016年10月1日
 政府が廃炉の方向で検討を始めた福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」などをテーマにした反原発の市民集会が1日、大阪市中央区で約600人が参加して開かれた。約1兆2000億円が使われたもんじゅの廃炉は当然とし、貧困問題にも詳しい作家の雨宮処凛さんが「命を基準に税金の支出を」と訴えた。 
 
 市民団体でつくる「とめようもんじゅ関西連絡会」などが主催した。小林圭二・元京都大原子炉実験所講師が「もんじゅは不必要で危険。プルトニウムの増殖が困難になり、運営主体も安全管理で腐敗した」と指摘。今後、政府が核のごみを減らす名目で類似の「高速炉」の開発を掲げたことも「新たに複雑で高度な再処理工場が必要であり、非現実的。核燃料サイクルが破綻したことを隠そうとしている」と批判した。 
 
 「14歳からの原発問題」の著書がある雨宮さんは対談で、貧困のために、福島原発事故の処理現場や戦争に赴く国内外の若者に言及。「貧困対策のお金が削られるときはいつも財源不足が理由。もんじゅが維持費だけで1日5500万円かかるのなら、人の命を基準に考えませんか」と呼びかけた。 
 
 福井県小浜市から駆け付けた国宝・明通寺の住職、中嶌哲演さん(74)は「地元の若狭では原発が15基あり、もんじゅで5基目の廃炉だが、まだ集中立地の問題は続く」と訴えた。【大島秀利】