2016年10月15日土曜日

市民が民進に認めさせた野党共闘(田中龍作ジャーナル)

【新潟県知事選】市民が民進に認めさせた野党共闘
田中龍作ジャーナル 2016年10月14日
 
(【写真説明】 推薦を出さなかった民進党の蓮舫代表は米山候補を「仲間」と強調した。これも市民の危機感が後押しした野党共闘の成果だ。=14日夕、新潟市内 撮影:筆者=
 
 「蓮舫さん、来ないと思ったのに来られた。ここにいる皆さんの熱意じゃないか。皆さんの熱意が黒岩(宇洋・民進党県連代表)さんを動かし、執行部を動かした。次の選挙(=総選挙)で野党共闘としてもう一度一つになるチャンスを与えてくれたのは皆さんです」。
 
 新潟市の繁華街できょう(14日)夕方、開かれた市民集会で自由党の山本太郎議員が詰めかけた有権者に語りかけた。(主催:新潟に新しいリーダーを誕生させる市民の会)
 山本議員の他にも蓮舫代表、阿部知子、小熊慎司衆院議員(以上民進党)、笠井亮衆院議員(共産党)らがマイクを握った。
 主催者は市民集会をもともと屋内で開くはずだったが、もっと多くの有権者に訴えようと、会場を繁華街のそれも屋外に移した。
 原発を再稼働させてはならないとする市民の危機感が、米山隆一候補への猛烈な追い風を吹かせ、国会議員たちを呼び込む力となった。
 
(【写真説明】 「新潟県としてNOを貫けるのは米山さん」。新潟市内の支援者たちがプラカードを作成した。=14日夕、新潟市内 撮影:筆者=
 
 野党共闘は連合に頭が上がらない民進党の体たらくで、一時瓦解していたが、ここへ来て形になった。
 民進党の蓮舫代表は昨夜、米山候補から直接要請の電話があったことを明らかにした―
 「米山候補は言った。『何もなかったところから、新潟県民が立ち上がった。だから命を守りたい』と。電話を受け、私(蓮舫)に何ができるんだろう。一緒になって思いを訴えたい」。
 蓮舫代表は応援に入ることを決めた経緯を話した。悩んだ末の新潟入りだった。
 
 蓮舫代表の演説が終わると米山候補がマイクを受け継いだ―
 「2週間前、遠くに見えた相手候補が間近に迫っています。『この暮らしを、ふるさとを、命を守って欲しい。何より子どもの未来を守って欲しい』という皆さん一人ひとりの思いが、私をここまで支えて下さった」。
 
 選対本部長の森ゆうこ議員が集会の最後を締めくくった。今回の選挙戦を象徴しているようだった ―
 「私の時(夏の参院選挙)は市民と野党は一つだった。でも今回は違うんです。自民党や公明党の支持者が『自分は原発再稼働賛成じゃない』と私の所に電話をかけてくる原発再稼働反対の県民は一つなんです」。
 安倍政権の下、国策である原発再稼働の是非を真っ向から問う新潟県知事選挙。
 再稼働推進派のオール与党(自公・連合)候補か、それとも再稼働に慎重な泉田路線を継承する野党候補か。最後まで予断を許さない展開となってきた。
 
(【写真説明】 「原発ゼロの会」事務局長の阿部知子議員は4回も新潟入りした。山本太郎議員(中央)、笠井亮議員(左)も応援に駆け付けた。=14日夕、新潟市内 撮影:筆者=
~終わり~
 
 
蓮舫代表 知事選、新潟入り 自主投票で異例の応援
毎日新聞 2016年10月14日
 民進党の蓮舫代表は14日、新潟県知事選(16日投開票)で野党推薦の新人候補を支援するため、急きょ新潟入りした。同党は自主投票を決めており、現地入りは異例だ。注目が集まる知事選を舞台に「選挙の顔」としての求心力を高める狙いとみられる。原発再稼働に慎重な野党候補に距離を置き、与党推薦の新人を支援する連合は反発を強めている。【朝日弘行、柳沢亮】 
 
 「毎日毎日、強い要請をいただいた」。蓮舫氏は14日夕、新潟市に入って繁華街で応援演説し、その後に記者団に現地入りした理由を語った。先月29日の記者会見で「政党間の戦いを持ち込むよりは県民の投票行動を見守りたい」と発言。今月13日の会見でも知事選応援は未定と答えたばかりだった。江田憲司代表代行は14日、「大接戦と聞いて大局的、政治的判断で決断した」と説明した。 
 
 突然の現地入りの背景には、代表として初めて臨む衆院2補選(23日投開票)で思うように支持が広がっていないとの判断がある。知事選の野党候補は民進の次期衆院選新潟5区公認予定者からの転身。後押しできれば手腕を示すことができるとの計算だ。 
 自民は与党候補の応援に連日、党幹部が現地入りしている。二階俊博幹事長が12日、新潟市内の会合に出席し、13日には茂木敏充政調会長が企業・団体を訪問。公明党の井上義久幹事長も10日に現地入りした。 
 
 連合新潟も与党候補の支援に回っている。野田佳彦幹事長は周囲に「(蓮舫氏が)行くと言っても止める」と語っていたが、蓮舫氏自身は選挙戦の中盤以降の新潟入りを探っていた。 
 同党は13日、新潟入りを連合に通知。それに先立って蓮舫氏は神津里季生会長と会談して補選と次期衆院選の協力を確認したが、その場で知事選の話題は出なかった。連合幹部は14日、「了解できない。選挙が終わった後の関係をどうするんだ」と反発を示した。