原子力規制委は19日、福島原発の廃炉に関する検討会で「凍土遮水壁」について議論しました。
効果を説明する東電に対し、規制委の更田氏は「基本的に陸側遮水壁の効果に期待しない」と述べた上で、建屋周辺の井戸「サブドレン」からのくみ上げを対策の柱とするよう求めました。
「凍土遮水壁」が完全凍結することはなく、所期の目的が達成出来ないことは明らかです。
遮水壁の完成を期待するのは時間の空費に等しいので、他の方法によるとする規制委更田氏の見解は正当です。
事故から5年が経ったのに汚水の根本的解決は何も進んでいないということです。
凍結用の消費電力は年間20億円と言われているので早く見極めをつけるべきでしょう。また、凍土壁の製作には国費350億円が投じられたので、その責任を明らかにする必要があります。
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<福島第1> 規制委「遮水壁に期待せず」
河北新報 2016年10月20日
原子力規制委員会は19日、東京電力福島第1原発の廃炉に関する検討会を開き、氷の壁で建屋を取り囲んで地下水流入を減らす「凍土遮水壁」について議論した。効果を説明する東電に対し、規制委の更田豊志委員長代理は「基本的に陸側遮水壁の効果に期待しない」と述べた上で、建屋周辺の井戸「サブドレン」からのくみ上げを対策の柱とするよう求めた。
東電は、3月に凍結を始めた遮水壁のうち、未凍結となっている山側の7カ所中2カ所で近く凍結作業を始める計画を説明。建屋への地下水流入量をさらに減らすことで、汚染水の発生量を抑える考えを示した。
更田氏は東電の計画を審査する考えを示した上で「『地下水対策の主役はサブドレン』と一貫して言ってきた」と強調。遮水壁の効果について「ほとんど関心を持ってない、と言うのは言い過ぎか」と改めて疑問を呈した。
国と東電が建設を主導した凍土遮水壁について、規制委は当初から効果を疑問視していた。東電は遮水壁の運用を継続する一方、規制委の指摘を受けサブドレンの機能も強化する方針。