原子力規制委は5日、運転開始から40年となる関電 美浜原発3号機について、最大20年の運転延長を認める審査書を正式決定しました。老朽原発では関電 高浜原発1、2号機に続き3基目で、運転期間を原則40年とするルールは形骸化が進んでいます。
今後は、11月30日までに原子炉圧力容器がもろくなっていないか等をチェックして耐震補強工事の計画を提出します。
耐震試験は補強工事終了(2020年3月)後に行うということです。
耐震試験は補強工事終了(2020年3月)後に行うということです。
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原発40年ルール形骸化 美浜3号機「適合」決定
東京新聞 2016年10月5日
原子力規制委員会は五日午後、十一月末に運転開始から四十年となる関西電力美浜原発3号機(福井県)について議論し、耐震工事やケーブルの難燃化工事などを進めれば新規制基準を満たすとの審査書を正式決定した。適合は八基目で、老朽原発では関電高浜原発1、2号機(同県)に続き三基目。運転期間を原則四十年とするルールの形骸化が進む。
四十年超の老朽原発で、最大二十年の延長運転をするためには、新基準をクリアするほか、原子炉圧力容器がもろくなっていないかどうかや建屋の健全性などを調べ、必要な工事計画の認可を得ることが不可欠。
その期限は、美浜3号機の場合、運転期間が満了する十一月三十日。規制委は耐震試験は工事後に行う考えで、運転延長を認める見通し。工事は二〇二〇年三月までかかる予定で、再稼働はその後となる。
関電は一五年三月に審査を申請。審査の過程で、耐震設計の目安となる地震の揺れを当初の七五〇ガルから九九三ガルに引き上げた。これに伴う設計変更に時間がかかったが、関電は今年五月に補正書を提出。規制委は八月三日に審査書案を了承し、九月二日まで意見を公募していた。
耐震化の工事費は千六百五十億円。原子炉内の部品を取り換え、使用済み核燃料を保管するラックも床や壁に固定せずに揺れを逃がす方式に変更する。既存の防潮堤よりも内陸側に防潮堤を新設。事故時に作業員を守る対策拠点も設ける。千キロに及ぶケーブルを防火シートで覆ったり、燃えにくい素材に替えたりする必要もある。
<美浜原発> 福井県美浜町にある関西電力の加圧水型軽水炉。1~3号機のうち1号機(1970年営業運転開始、出力34万キロワット)と2号機(72年運転開始、50万キロワット)は昨年4月に廃炉となった。82万6千キロワットと出力が最も大きい3号機は76年に運転開始。関電は運転延長を目指し昨年3月、原子力規制委員会に新規制基準の適合性審査を申請した。