2016年10月29日土曜日

29- 新潟日報の原発報道に早稲田ジャーナリズム大賞 奨励賞

 新潟日報社の長期連載「原発は必要か」を核とする関連報道が、27日、「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の奨励賞(公共奉仕部門)に選ばれました。
 「原発は必要か」は、昨年12月から今年6月まで掲載した長期の連載で、柏崎刈羽地100聞き取り調査をするなどして、原発の立地に伴う経済波及効果は限定的だったことを明らかにしました。新潟日報はそれ以前にも、2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災したことを受けて始めた「揺らぐ安全神話」福島原発事故後に「原発危機」「再考原子力」の長期連載を重ねるなど、原発問題に熱心に取り組んできました。
 
 そうした新潟日報社が、原発再稼働に慎重姿勢を貫く泉田知事を執拗に攻撃する連載を組んで、遂に泉田氏を知事選立候補断念に追い込んだのは何とも不可解なことでしたが、それはいわば会社の上層部が「反泉田グループ」と組んで行ったものなので、上述の記者魂とは別の次元の問題と見るべきでしょう。
 この受賞を機に今後もこれまでと同じ視点で原発問題に取り組んで欲しいものです。
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本紙原発報道に奨励賞
早稲田ジャーナリズム大賞発表
新潟日報 2016年10月28日
 早稲田大は27日、「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の大賞2作品、奨励賞2作品を発表した。公共奉仕部門の奨励賞に新潟日報社原発問題取材班の長期連載「原発は必要か」を核とする関連報道が選ばれた。本社の受賞は初めて。
 早稲田ジャーナリズム大賞は、文化と公共の利益に貢献したジャーナリストの活動を発掘、顕彰する目的で2000年に創設され、今年で16回目。「公共奉仕」「草の根民主主義」「文化貢献」の3部門に計146件の応募があった。
 
 本社の長期連載「原発は必要か」は、昨年12月から今年6月まで掲載した。
 柏崎刈羽地域の100社への聞き取り調査と、原発建設前から約40年間の統計データの分析により、東京電力柏崎刈羽原発と立地地域経済の関係は薄く、原発の立地に伴う経済波及効果は限定的だったことを示した。
 さらに、東電福島第1原発事故後の福島県の現実を取材し、賠償や農業再生に向けた制度が不十分な実態を浮き彫りにしたほか、世界各国が再生可能エネルギーの導入を積極的に推進している状況などを取材。原発が必要かどうかを多角的に検証した。
 
 早稲田大は授賞理由を「丹念な取材で、具体的な数字を挙げつつ柏崎刈羽原発の地元への経済的な恩恵の薄さを証明した。住民の目線に立って再稼働の是非を切実かつ多角的に問いかけた」とした。
 
 本社は原発問題について、県民の命と安全を守る観点から、2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災したことを受けて始めた「揺らぐ安全神話」以降、福島原発事故後に「原発危機」「再考原子力」を展開。「原発は必要か」まで4つの長期連載を積み重ねてきた。
 
 公共奉仕部門の大賞は日本テレビの「南京事件 兵士たちの遺言」、草の根民主主義部門の大賞は山陽新聞の「語り継ぐハンセン病 瀬戸内3園から」、同奨励賞は菅野完氏の「日本会議の研究」だった。文化貢献部門の受賞はなかった