原発ゼロ 「なぜしない」小泉元首相が松本で講演
毎日新聞 2016年10月19日
小泉純一郎元首相が18日、長野県松本市で講演し、16日行われた新潟県知事選で同県の柏崎刈羽原発再稼働に慎重姿勢の新人が当選したことについて、「自民、公明、連合が支援した相手に勝ち、予想外の番狂わせだった。原発が危ない、安全でないと、国民が分かってきたのではないか」と感想を述べた。
また、次期衆院選で野党が統一候補を立て、「原発ゼロ」を最大争点とした場合、「自民党もどうなるか分からない」と述べ、新潟知事選の影響は大きいと強調した。
小泉元首相は、首相在任当時、専門家の意見を信じ、原発は必要だと考えていたといい、「福島事故で、安全でクリーン、低コストだと言っていたのが全部うそだと分かった。過ちが分かったからには、それを正し、償う意味で、『原発ゼロ』運動を始めた」と明かした。時折、首相時代のような絶叫調で「原発ゼロはできるのになぜ(政府は)やろうとしないのか」「ピンチをチャンスに変える時だ」と熱弁をふるった。【小川直樹】