2024年4月20日土曜日

20- 「非常に重要な責務」 次期規制委員の山岡氏

 原子力規制委員会の次期委員として9月に就任予定の山岡耕春名古屋大名誉教授(65)が18日、報道陣の取材に応じ「非常に重要な責務と感じている」と語りました。
 山岡氏は、地震、津波など原発の自然災害対策を担う石渡明委員の後任です。
 石渡氏(東大博士号を所有)は2014年に規制委員に就き、23年8月に突如原発の60年超運転に向けた規則改正が提起されたとき、5人の委員中ただ1人反対しました。
 どんな根拠で延長が可能なのか明らかにされない中での決定なので当然で、筋を通しました。
 山岡氏就任予定の記事に加えて、石渡氏が規則改正が提起されたとき、ただ1人反対した記事を併せて紹介します。
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「非常に重要な責務」 次期規制委員の山岡氏
                            時事通信 2024/4/18
 原子力規制委員会の次期委員として9月に就任予定の山岡耕春名古屋大名誉教授(65)が18日、規制委を訪れ、報道陣の取材に応じた。
 「非常に重要な責務ということをひしひしと感じている。科学的、技術的にきちんとした審査を進めていくことには変わりない」と抱負を述べた。
 山岡氏は地震、津波など原発の自然災害対策を担う石渡明委員の後任となる。能登半島地震に関して「起きた地震から知見や教訓を得ることは大事だ」と強調した上で、「各原発の地震のリスクなどを、独立した立場できちんと評価していきたい」と話した。
 東京電力福島第1原発事故については「なぜ起きたのかは常に振り返らなければいけない。何かあった時には事故を思い出し、背筋を伸ばして対応する必要がある」と述べた


「独立の立場で地震評価」 原子力規制委の山岡新委員が抱負
                             共同通信 2024/4/18
 9月に原子力規制委員会の委員に就任する山岡耕春・名古屋大名誉教授(地震学)が18日に取材に応じ、「独立した立場で、原発ごとの地震や災害のリスクをきちんと評価していきたい」と抱負を語った。石渡明委員の後任で、引き継ぎなどのために同日付で規制委参事に就いた。
 山岡氏は名古屋大地震火山研究センター長や日本地震学会長などを歴任。地震予知連絡会長を務めている。
 1月の能登半島地震の震源に近い北陸電力志賀原発(石川県)の審査は「国が進めてきた日本海側の断層調査の結果を、きちんと取り込んで進めるのが大事だ」と述べた。


石渡明委員はあらためて反対したが…原発60年超運転の規則改正を決定 原子力規制委 4委員が賛成
                         東京新聞 2023年8月30日
 原子力規制委員会は30日の定例会合で、原発の60年超運転に向けた新たな規制制度に関する規則改正などを賛成多数で決定した。60年超運転を可能にする法改正に規制委でただ一人反対した石渡明委員は、この日も反対し、規制委内で意見が割れたまま、新たな制度が施行されることになる。

◆「安全側への改変とは言えない」と主張していた石渡委員
 5月の法改正で、原発の運転期間は「原則40年、最長60年」とする規定が原子炉等規制法(炉規法)から削除され、電気事業法(電事法)に移った。電事法では再稼働の審査などで停止した期間分の追加延長を認め、60年超運転が可能になる。
 石渡委員は2月の定例会で「安全側への改変とは言えない」などとして制度変更に反対。この日の定例会では、規制制度の詳細を決めるかを議論したが、石渡委員は「法改正そのものに反対した以上、賛成できない」と述べ、「審査にかかった時間を(延長運転に)加えることには反対だ」と主張を変えなかった。ほかの委員4人は賛成した

◆山中伸介委員長「技術的な課題はない」
 山中伸介委員長は定例会後の記者会見で「運転期間に対する考え方の相違であり、技術的な課題はない」との見解を示した。
 新たな規制制度は、原発の運転開始後30年を起点に劣化の審査を始め、新規制基準に適合していれば運転を認可。10年以内ごとに審査を繰り返す。全面的な施行は2025年6月6日の予定だが、規制委は今年10月1日から新制度による運転延長の申請の受け付けを始める。(渡辺聖子)