2024年4月13日土曜日

御前崎市長選 両候補、原発再稼働の賛否示さず

 新人2人による激しい一騎打ちが繰り広げられている御前崎市長選(14日投開票)で、争点の一つの中部電力浜岡原発の再稼働問題を巡り、両候補とも、「二者択一で語ることができない」と声をそろえ賛否の姿勢を明示していません

 有権者は「今後、立地市として再稼働すべきか否か判断すべき時がくる。選挙で、しっかりと考えを聞かせてほしい」と切望しています。
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御前崎市長選 両候補、原発再稼働の賛否示さず 有権者「考え聞かせて」
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 新人2人による激しい一騎打ちが繰り広げられている御前崎市長選(14日投開票)で、争点の一つの中部電力浜岡原発の再稼働問題を巡り、環境技術開発会社役員の下村勝氏(54)と元海外医療支援団体理事長の青田修二氏(53)の両候補とも、賛否の姿勢を明示していない。稼働すれば、災害時のリスクが高まる懸念がある一方、地域経済の活性化や市の歳入増が見込まれるため、両候補は「二者択一で語ることができない」と声をそろえる有権者は「今後、立地市として再稼働すべきか否か判断すべき時がくる。選挙で、しっかりと考えを聞かせてほしい」と切望する
 「自然エネルギーは弱点があり、太陽光発電であれば、雨の日だと発電量は下がる」。8日、浜岡原発が立地する佐倉地区。下村氏は街頭演説で力説し、さまざまな電源を最適に組み合わせる「エネルギーミックス」の重要性を指摘した。原子力発電は二酸化炭素を排出しないため「地球にとって大事じゃないか」と訴えたものの、再稼働の賛否には言及しなかった。
 青田氏は9日、池新田地区でマイクを持った。東日本大震災の福島第1原発事故に触れ、「原発があることで産業誘致が進まない。現実を見つめ直すべきだ」と声を張り上げた。ただ、原発稼働で電気の安定供給や地域経済効果が期待できるとも強調。「(再稼働の是非は)早急に結論を出すのではなく、市民が議論しながら決めるべき」と住民主体の姿勢を強調した。
 告示以降、原発問題を巡る両候補の主張は鮮明さを欠く。再稼働の賛否に関して「白黒をつけられない」(下村氏)、「イエスかノーで語れない」(青田氏)。こうした状況について、ある陣営幹部は「原発問題で世論が二分化すれば票が割れる可能性もある」と警戒する。
 だが、再稼働問題には多くの有権者が関心を寄せている。候補者の一人の演説を聞いた70代男性は「再稼働の是非は避けて通れない。将来どうしたいのか、率直に述べてほしい」と終盤の論戦に期待した。