2024年4月27日土曜日

巨大地震が頻発している(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
 元日の能登半島地震に引き続き、4月17夜に豊後水道を震源とするマグニチュード66の豊後水道地震が発生し愛媛県愛南町と高知県宿毛市で震度6弱の揺れ観測されました。四国で震度6弱以上の揺れを観測したのは1919年の統計開始以来初めてのことだということです。
 能登半島地震では、原発周辺の家屋の多くが地震で損壊し屋内退避が不可能になり、避難するにも陸路も海路も使用不能で避難不可能になって、地震発生時に周辺住民の生命が守られないことが明らかになりました。
 豊後水道地震の震源は長さ1000kmに及ぶ長大な大断層帯「中央構造線」上にあり、中央構造線にはひずみが集中していて周辺には活断層帯が多くあります
 植草氏は以上のようなことを明らかにし、いまは日本列島直下の地殻変動が活発化していると言って間違いはなく、巨大地震への備えが目下の日本の最重要課題であり、原発もリニアもこの視点から対応しなければ取り返しのつかない事態を招くだろうと警告しました
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巨大地震が頻発している。
               植草一秀の「知られざる真実」 2024年4月25日
2011年3月11日に発生した東日本大震災。
海底を震源地とする地震だったが陸上で記録された最大加速度(地震の揺れの強さを示す指標)は2933ガルだった。
本年1月1日に発生した能登半島地震。陸上で観測された最大加速度は2828ガル。
観測地点は石川県志賀町。志賀町領家に計測機械が設置されている。

川県志賀町に立地するのが北陸電力志賀原子力発電所。
原発の至近地点で2828ガルの揺れが観測された。
志賀原発は現在運転停止中。原発が運転中にこの地震が発生していたらフクシマ事故が再現された可能性がある。
地震で能登半島の道路は寸断された。
また、地震の影響で放射線量を計測するモニタリングポストの多くが使用不能に陥った。

原発周辺の家屋では「屋内退避」が取られることになるが、家屋の多くが地震で損傷し、屋内退避が不可能になった。
地震発生時の避難が計画されているが、陸路も海路も使用不能で避難することが不可能になった。
地震発生時に周辺住民の生命が守られないことが明らかになったと言える。

本年4月17日午後11時過ぎに豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の豊後水道地震が発生した。
愛媛県愛南町と高知県宿毛市で震度6弱の揺れを観測した。
四国で震度6弱以上の揺れを観測したのは1919年の統計開始以来初めてのこと。
震源は豊後水道で震源の深さは約38キロ、地震の規模はマグニチュード6.6。















2016年4月には熊本県から大分県にかけて強い地震が連続して発生して大きな被害を出した。
震源は100キロメートルの範囲に広がった。
一連の地震の震源の延長上に西日本を縦断する「中央構造線」と呼ばれる大規模な断層帯が存在する。
九州では大分県の有名な温泉地である由布院に源を発し別府湾に注ぎ込む「大分川」の下を長さ1000Kmに及ぶ長大な大断層帯「中央構造線」が通っている。

2016年4月14日夜に熊本市近郊で巨大な地震が発生。
さらに、4月16日未明に14日の地震を上回る本震が発生した。
熊本県益城町では14日と16日の両日とも震度7の揺れを観測した。
これをきっかけに阿蘇山周辺から大分県へとマグニチュード5クラスの地震が広がっていった。

地震は九州を横切る「別府-島原地溝帯」を東に進んだ。
地溝帯というのは両側を断層で挟まれた幅の広い谷のこと。
別府-島原地溝帯は西日本を横切る長大な断層の連なり「中央構造線」の西端に当たる。
中央構造線の周辺には並行して多くの活断層がある。
安土桃山時代末期の1596年9月1日に中央構造線沿いの愛媛県でマグニチュード7クラスの慶長伊予地震が発生。
その3日後に約200キロメートル離れた大分県で同程度の慶長豊後地震が発生。
その翌日には兵庫県で慶長伏見地震が発生した。
1995年に発生した阪神淡路大震災は中央構造線近くを震源とする地震。

今回の豊後水道地震も中央構造線上の地震である。
中央構造線にはひずみが集中しており、周辺には活断層帯が多い。
別府-島原地溝帯には熊本地震を引き起こした日奈久(ひなぐ)断層帯や布田川(ふたがわ)断層帯、大分の地震との関連が疑われる別府-万年山(はねやま)断層帯などの活断層がある。
中央には巨大な阿蘇山が存在し、雲仙岳がある島原半島から熊本県八代市沖までが活断層の密集地帯。

日本列島直下の地殻変動が活発化していると言って間違いはない。
巨大地震への備えがいまの日本の最重要課題である。
原発もリニアもこの視点から対応しなければ取り返しのつかない事態を招くだろう。

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