2024年4月8日月曜日

規制委 初代委員長が講演「災害と原発事故が同時でも屋内退避」

 原子力規制委初代委員長田中俊一5日、自民党新潟県議団に講演し、自然災害と原発事故が同時に起こった場合の避難ついて「無用な避難で犠牲者が出ないよう屋内退避が重要とする自身の考えを伝えました。
 それに対して自民党の県議からは「本当に被ばくを抑えられるのか」「事故時と事故後の対応は別ではないか」など意見が上がったのは当然です。

 そもそも原発の事故は複合災害が通例で地震等の自然災害に連動して起きます。
 高齢な病弱者などのバスによる長時間の避難に堪えられない人たちが「屋内退避」を選択するのはやむを得ません(但し介護者をどうするのかが問題)が、妊婦や幼児・児童を含む住民に対して一律に「自宅退避』で問題ないとするのには無理があります。
  ⇒(3月6日)複合災害では「命守ることに専念を」と田中俊一元原子力規制委員長
 そもそもIAEAの深層防護(原発の安全基準)は原発付近の住民が原発事故時に危険な被爆をしないようにするために定められたものであって、理論的には、住民の被曝をどのレベル以下に抑えるかをベースにして原発の安全基準は定められるという関係にあります。
 それを一気に「被曝してもいい」としてしまうのは「ちゃぶ台返し」もいいところです。田中氏は在任中に被爆安全基準限度(幼児や妊婦を含めて)を「1年間20ミリシーベルト」と決めた上で、それでは不安だとして避難した人たちを「勝手に逃げた人たち」と呼びました。
 年間20ミリシーベルトは5年間で被曝量100ミリシーベルト(危険被爆量)に達するもので、世界の非常識というべきものです。
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原子力規制委 初代委員長が講演「災害と原発事故が同時でも屋内退避」自民党県連の反応は
                         UX新潟テレビ21 2024/4/5
原子力規制委員会で初代の委員長を務めた田中俊一さんが自民党県議団に講演し、複合災害時の避難のあり方について語りました。
講演会は冒頭のみ公開されました。田中元委員長は自然災害と原発事故が同時に起こった場合の避難ついて「被ばくによる健康被害は相当量の蓄積によって起き、数日で影響は出ない」として、無用な避難で犠牲者が出ないよう屋内退避が重要とする自身の考えを伝えました。
これに対して自民党の県議からは「本当に被ばくを抑えられるのか」「事故時と事故後の対応は別ではないか」など意見が上がったということです。
■自民党 皆川雄二総務会長
「議論が平行した部分もあったし理解した人も中にはいると思うが、だからと言って安全ですぐに再稼働するというところに至っていないのは事実。」
皆川総務会長は「もう一度、新規制基準に適合した柏崎刈羽原発の認識を学ぶべき」と話しました。