2024年4月1日月曜日

米企業 ナトリウム使用の新高速炉の建設を申請 30年の運転開始目指す

 米企業テラパワーは29日、冷却材にナトリウムを使う新たな高速炉の建設許可申請を原子力規制委員会(NRC)に提出したと発表しました。

 原理は先に日本が正式に中断し廃炉を決めた高速増殖炉「もんじゅ」と同じもので、「冷却材」として水のかわりに「液体ナトリウム」を使います。
 「もんじゅ」は総経費1兆円以上を掛けたプロジェクトでしたが、後半の20年ほどは全く動かないままその維持経費が「日額=7千万円」ほども要するという、民間企業では考えられないような「超金食い虫」でした。しかもその維持管理の仕方が乱脈を極めていたため最終的に廃炉に追い込まれたもので、当然の成り行きでした。
 「もんじゅ」の廃炉に当たり、それまでの資料を米国に渡したものが今回実を結んだと考えられます。どんな成果が得られるのか注目されます。
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米企業、新高速炉の建設申請 30年の運転開始目指す
                            共同通信 2024/3/30
【ワシントン共同】米企業テラパワーは29日、冷却材にナトリウムを使う新たな高速炉の建設許可申請を原子力規制委員会(NRC)に提出したと発表した。エネルギー省によると、冷却材に水を使う軽水炉以外の商用原発では初の申請。ワイオミング州で閉鎖予定の石炭火力発電所近くに建設する。運転開始は当初の2028年から遅れ、30年を目指している。
 テラパワーはマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らが設立した。高速炉の名称は「Natrium(ナトリウム)」で、GE日立ニュークリア・エナジーとの共同開発。日本原子力研究開発機構も協力している。
 出力は34万5千キロワット。