福島高専の学生3人が、福島第一原発の廃炉に向けた建屋探査ロボットを開発しました。
福島第一原発でロボットオペレーターを担当しているアトックスと共同研究を始め、1年をかけて今春に完成させました。今後現場に投入する時期を協議します。成功すれば、今後の除染や廃炉作業の足掛かりとなります。
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福島高専生が第一原発廃炉用のロボット開発 初めての実用化
福島民報 2022/4/13
福島高専(福島県いわき市)の学生3人が、東京電力福島第一原発の廃炉に向けた建屋探査ロボットを開発した。福島高専と関係企業は今後、現場に投入する時期を協議する。福島高専の学生が作った廃炉用ロボットの実用化は初めてとなる。
3人は機械システム工学科の武田匠さん(20)=須賀川市出身=と鳥羽広葉(ひろは)さん(20)=北塩原村出身=、電子電気システム工学科の冨樫優太さん(20)=いわき市出身=。
昨年1月のロボットコンテスト出場をきっかけに、福島第一原発でロボットオペレーターを担当しているアトックス(本社・東京都)と共同研究を始めた。1年をかけて今春に完成させ、3月に福島高専を卒業した。
ロボットは長さ30センチ、幅19センチ、高さ15センチ。操縦者は正面と両側面のカメラが撮影した映像を確認しながら無線で遠隔操作する。片側に二つずつ付いたクローラー(無限軌道)で段差を乗り越えることができる。
上部に3Dレーザースキャナーがあり、収集データを基に屋内の状況を立体的に把握する。成功すれば、今後の除染や廃炉作業の足掛かりとなる。
4月に福島大共生システム理工学類に編入した武田さんは「長い廃炉への道を、私たちの世代がつないでいきたい」と話している。