福島第一原子力発電所にたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、経産省の萩生田大臣が全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と都内で会談し、全漁連が求めていた風評被害などへの対応についての回答書を手渡しし、基準以下の濃度に薄めて海に流す政府の方針に理解を求めました。岸会長は「国民や全国の漁業者の理解を得られない海洋放出には断固反対で、いささかの変化もない」と述べ、処理水の海洋放出に反対する姿勢を改めて示しました。
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福島第一原発 処理水海洋放出に全漁連会長「断固反対」
NHK NEWS WEB 2022年4月5日
東京電力福島第一原子力発電所にたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、経済産業省の萩生田大臣が全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と都内で会談し、基準以下の濃度に薄めて海に流す政府の方針に理解を求めました。
岸会長は「方針には断固反対で、いささかの変化もない」と述べ、処理水の海洋放出に反対する姿勢を改めて示しました。
萩生田大臣は5日、全漁連の岸会長と会談し、福島第一原発にたまり続ける処理水の海洋放出について、風評被害が起きた場合に対応する新たな基金の創設などを説明し「将来も安心して漁業に取り組めるよう長期に対応していく」と述べ、政府が去年4月に決めた、基準以下の濃度に薄めて海に流す方針に理解を求めました。
これに対し岸会長は「国民や全国の漁業者の理解を得られない海洋放出には断固反対で、いささかの変化もない」と述べ、政府の方針に引き続き反対する姿勢を改めて示しました。
会談後、岸会長は「方針決定から1年たつが、政府との距離感は変わらない。海外の水産物の輸入規制も残っていて、国として風評被害の払拭(ふっしょく)に全力を尽くしてほしい」と話していました。
政府は来年春ごろ海洋放出を始める方針で、東京電力が準備を進めていますが、漁業者の理解が得られないまま方針決定し、地元を中心に風評被害を懸念する声が今も根強く上がっています。
ALPS処理水海洋放出 全漁連会長が萩生田経産相と会談「断固反対変わらない」
TBS(JNN) NEWS 2022/4/5
福島第一原発の放射性物質を含む処理水の海洋放出について、全国漁業協同組合連合会は萩生田経済産業大臣と会談し、反対する姿勢を改めて強調しました。
会談で萩生田大臣は放射性物質トリチウムを含む「ALPS処理水」について、全漁連が求めていた風評被害などへの対応についての回答書を手渡しました。
また、継続して漁業ができるよう経産省が超大型の基金を創設するなど様々な対策を講じると説明しました。
全漁連 岸 宏会長:「我々はこの放出には絶対反対であるということはいささかも変わることはありません」
全漁連の岸会長は、回答書の内容は精査するとしましたが、放出について反対の姿勢を崩さないことを改めて強調し、議論は平行線を辿りました。「ALPS処理水」について政府は来年の春にも海洋放出する方針です。
萩生田経産相、全漁連会長と会談 東電福島第1原発の処理水放出で
時事通信 2022/4/5
萩生田光一経済産業相は5日、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と東京都内で会談し、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出をめぐり意見交換した。
【図解】処理水海洋放出施設のイメージ
萩生田経産相は会談の冒頭、「漁業者の皆さまに処理水の処分の安全性や風評影響について心配をお掛けしていることについて、おわびを申し上げたい」と謝罪。その上で、(1)放出に伴う風評影響に政府が全責任を持つ(2)丁寧な説明、関係者の理解なしにいかなる処分も行わない(3)安心して漁業が継続できるよう超大型の基金を創設し、数十年にわたって必要な対策を講じる―と説明した。
これに対し、岸全漁連会長は「国民、また全国の漁業者の理解を得られない処理水の海洋放出には断固反対で、いささかも変わることはない」と述べた。