柏崎刈羽原発6・7号機で3月以降、安全上重要な設備で問題が相次いでいます。
6号機では3月、非常用ディーゼル発電機の試験運転で潤滑油が漏れ、7号機では4月、フィルタベントの配管の接合部に誤った規格のものが使われていることが判明しました。
また7号機の使用済み核燃料を保管するプールで、緊急時に外部から水を入れる配管の接合部の耐震性を調べる検査に誤りがありました。
こうした問題について稲垣所長は「福島の事故の対応にあたった私としては、非常用電源の重要性は身にしみて感じている。ほかの設備も含め、1つ1つ原因を究明して対策にあたりたい」と述べました。
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原発テロ対策不備 再発防止へ「地域の目線大切に」福田本部長
NHK新潟 NEWS WEB 2022/04月26日
東京電力柏崎刈羽原子力発電所で相次いで明らかになったテロ対策の不備の再発防止策の一環で、新たに、原子力部門のトップに就任した福田俊彦氏が会見し「地域の方々の目線を大切にしていきたい」と決意を述べました。
柏崎刈羽原発では、テロリストの侵入を検知する複数の設備が壊れるなど重大な不備が相次ぎ、去年4月から原子力規制庁が東京電力の再発防止策を確認する検査を行っています。
26日は、この再発防止策の一環で東京電力の原子力立地本部長に就任した福田俊彦氏(64)が初めて会見を行い「入社して最初に配属された柏崎刈羽原発は私の仕事の原点で、思い入れもあり、改革に尽力したい」と述べました。
福田本部長は福島第二原発で品質・安全部長などを務め、震災後は福島第一原発の廃炉を担当する役員を務めました。
福田本部長は「廃炉に携わる中で地域や社会の目線を感じ取り、行動につなげることが必要だと強く感じた。他の発電所の情報なども取り入れ、より俯瞰的な視点で所長をサポートしていきたい」と述べました。
福田本部長は来月から柏崎市に拠点を移し、現場の状況をより詳しく把握しながら業務にあたるということです。
また、東京電力では、今後、順次、原子力部門の本社の社員およそ300人を柏崎市に異動させ、再発防止と再稼働に向けた態勢を強化することにしています。
柏崎刈羽原子力発電所の6号機と7号機では、先月から今月にかけて安全上重要な設備で問題が相次いでいます。
このうち6号機では、ことし3月、非常用ディーゼル発電機の試験運転を行ったところ、潤滑油が漏れて運転が停止しました。
また、7号機では今月、設置工事が進められているフィルタベントと呼ばれる設備の点検を行ったところ、配管の接合部の部品に誤った規格のものが使われていました。
フィルタベントとは事故で原子炉を覆う格納容器の中の圧力が高まった場合に、放射性物質の放出を抑えながら圧力を抜く設備です。
さらに7号機では、使い終わった核燃料を保管するプールで、緊急時に外部から水を入れる配管の接合部の耐震性を調べる検査に誤りがあり、原発の安全上重要な設備で問題が相次いでいます。
こうした問題について稲垣所長は「福島の事故の対応にあたった私としては、非常用電源の重要性は身にしみて感じている。ほかの設備も含め、1つ1つ原因を究明して対策にあたりたい」と述べました。