2022年4月11日月曜日

手順が違う福島トリチウム水の海洋放出 内堀を埋めることを大事に

 福島TVが「玄侑宗久の色眼鏡」のコーナーで、「手順が違う 福島第一原発・処理水の海洋放出 内堀を埋めることを大事に」とする記事を出しました。
 玄侑氏が言う通り、福島原発のトリチウム水の海洋放出は昨年、菅首相(当時)が現地を訪れた際にいきなり明言して、それを後追いして閣議決定したのでした。
 それは大熊町と双葉町と福島県が東電と交わしていた「周辺地域の住民や環境に被害を及ぼさないことはもとより、周辺地域住民に不安や心配を生じさせないよう万全の措置を講ずるものとする」という協定に明らかに反していました。
 当然菅氏はそれを承知していた筈ですが、敢えてそんな風に仕切ったのは、それによって自分が剛腕であることを認知させようとしたのかも知れません。しかし地元民や漁協などが反対という事態は何も変わりませんでした。
 時間がないからは理由にならないので、 玄侑氏が言うように「話を一回巻き戻す」しかありません。
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《玄侑宗久の色眼鏡》
手順が違う 福島第一原発・処理水の海洋放出 内堀を埋めることを大事に
                           福島テレビ 2022/4/10
芥川賞作家で福島県三春町・福聚寺住職の玄侑宗久さんに伺う「玄侑宗久の色眼鏡」
2022年3月に福島テレビと福島民報社が共同で実施した世論調査で、『福島第一原発の処理水を海洋放出する』という政府方針について、【国の内外への理解があまり広がっていない】とする回答が最も多い37.1%となった。
玄侑さんは手順をしっかり踏むべきと主張している。
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IAEAからアルプス処理水を海洋放出することについての安全性を確認する調査団が来ましたよね。そういう調査は必要なことなんですけども、ちょっと待ってほしいと。
海洋放出っていうのは、昨年菅総理が一方的に通告しましたけども、あれで決まったの?っていうことをもう一回問いただしたいですね。
廃炉をめぐることについては、大熊町と双葉町と県がですね東電と協定書を交わしてるんですよね。その協定書によれば「周辺地域の住民や環境に被害を及ぼさないことはもとより、周辺地域住民に不安や心配を生じさせないよう万全の措置を講ずるものとする」と。
果たしてそうなってるのかと。
やっぱり当該町である双葉町と大熊町の同意、それから県民の同意ってのがある訳でしょ。その3段階方式というかそれによって国が決定すべきもので。去年の一方的な通告は私は無効だと思うんですよ。

時間がないからって言って、漁協も全面的に反対してる話ですから一方的に進めていいことじゃないと思うんですね。
改めてやっぱり県民が何とか納得しましたからということでIAEAの調査が来て、合意して進めるっていう風にしないと、遺恨が残ると思うんですよ。
今回、IAEAから調査団が来たという話を聞いて、外堀を埋められてるような感じがした訳ですね。安全だから大丈夫ですよって言ったとしても、内堀が埋まってないわけですよ。
だから市町村の同意と県民の同意ですよね。そのためには、あまりにもトリチウムについての知識を、まだみんなが共有してないっていうことが問題だと思うんですね。
どういう安全性でやろうとしてるのかっていうことを、よく知った上で市町村と県民が合意して。これが内堀が埋まるということですよね。
福島県の県知事さんは内堀さんですよね。
ですから、やっぱり内堀を埋めるということを大事にしてですね、 話を一回巻き戻して、そうして進めて頂きたいと思います。