IAEAは29日、福島第1原発から出るトリチウムを含む処理水の海洋放出について、安全性を検証する調査団による最初の報告書をまとめました。放射線の影響は日本の規制水準より大幅に小さいことが確認された述べる一方で、安全性に関する最終的な判断は当面結論を出さず調査を継続し、放出前に発表する方針で、「最終的に放出などの決断をするのはあくまで日本の責任」としました。
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処理水の影響「小さい」 福島原発、調査継続 IAEA
時事通信 2022/4/29
【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)は29日、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について、安全性を検証する調査団による最初の報告書をまとめた。
【図解】処理水海洋放出施設のイメージ
報告書は処理水が放出された場合に放射線が人体に与える影響について、東電の分析結果を踏まえ、「日本の規制当局が定める水準より大幅に小さいことが確認された」と指摘した。ただ、安全性に関する最終的な判断は、放出前に発表するとも説明。当面結論を出さず、調査を続ける方針を示した。
調査団は2月に訪日し、福島第1原発の視察や関係省庁、東電へのヒアリングなどを実施した。今後も放出までに行う調査のたびに2カ月後に報告書を公表する。東電は、処理水を保管するタンクが満杯となる時期を、2023年夏~秋ごろとしている。
IAEA ALPS処理水海洋放出に「準備に著しい進捗」 報告書公表
TBS NEWS 2022/4/29
福島第一原発の「ALPS処理水」の安全性を評価するため今年2月に初の現地調査を行ったIAEA=国際原子力機関は「準備に著しい進捗があった」とする報告書を公表しました。
福島第一原発から来年春に海洋放出される予定の放射性物質トリチウムを含む「ALPS処理水」について、IAEAは今年2月から放出設備の安全性や東京電力が行った「放射線影響評価」など8つの項目について検証を行っていました。
報告書では放出設備について、事故などを防ぐ「予防措置が的確に講じられている」と評価しました。また、放射線の影響については「人への放射線の影響が規制当局が定める水準より大幅に小さいことなどを確認した」としています。
IAEAは海洋放出に向けて「準備において著しい進捗があった」とした上で、今後も検証作業を進め、「放出前に最終的な結論を出す」ということです。
ただ、IAEAはあくまで国際的な安全基準に基づいた見解を示す立場で、「最終的に放出などの決断をするのはあくまで国の責任」としています。