2022年4月24日日曜日

 「原発再稼働問題」も争点に 新潟県知事選まで1カ月

 5月に行われる新潟県知事選挙現職花角知事と新人住宅メーカーの副社長・片桐奈保美さんの2人が立候補を予定しています。
 重要な争点になっている「原発再稼働問題」に関して両陣営が描く戦略についてNST新潟総合テレビが報じました。
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「原発再稼働問題」も争点に 新潟県知事選まで1カ月 
"自民色”消す現職vs"野党支援”集める新人
                      NST新潟総合テレビ 2022/04/23
現職と新人の2人が立候補を予定している新潟県知事選挙。選挙の構図や両陣営が描く戦略について、争点の一つ、「原発再稼働問題」からひも解いていく。

2期目を目指す花角知事 新人の片桐奈保美氏が立候補へ
2月県議会の最終日、知事選に向けて自民党から激励を受けていたのは花角知事。
花角知事:まいた種や植えた苗をしっかりと育てていきたい

自民党・公明党などが支持に回る現職に真っ向勝負を挑むのが、住宅メーカーの副社長・片桐奈保美さん。
片桐奈保美 氏:柏崎刈羽原発を再稼働させない。争点は原発
ウクライナにある原発関連施設をロシアが攻撃したことを受け、出馬を決意したという。
片桐奈保美 氏:「原発が安全であれば」という論議が今まではあったと思うが、安全な原発も危険だということが分かった

「原発再稼働反対」を掲げ、支援の輪を広げたい考えだが、共産党と社民党がいち早く片桐さんの推薦を決めたのに対し、野党第一党の立憲民主党は…
立憲民主党県連 菊田真紀子 代表:自主投票ということで決定。個々人の判断と責任を持って、支援をしたい人は支援をする
その背景には、立憲民主党の最大の支持母体・連合新潟の存在があった。
連合新潟 牧野茂夫 会長:連合は花角さん支持ということで決めさせていただいた

オール野党体制の構築はならなかったが、それでも…
米山隆一 衆院議員:私のときも立憲民主党は自主投票だったので、実はあまり変わらない
こう話すのは、片桐さんの支援に回る米山隆一衆院議員。原発再稼働反対を旗印に戦い勝利した2016年の知事選と構図は同じだと指摘する。

しかし、決定的に違うのは、この敗北から自民党が学んだということ。
“政党色”消し勝利した花角知事 県政では自民党との結びつきの強さ強調
自民党県連 柄沢正三 幹事長(2016年):敗因は、やはり原発
自民党 二階 幹事長(2018年):今度は敗れない
2018年の知事選、二階元幹事長とも関係の深い花角知事の擁立に動きながらも、原発推進の立場である自民党は黒子に徹した。
自民党県連 柄沢正三 幹事長(2018年):原発政策については、花角さんの考え方を最大限尊重している
花角知事(2018年):安全性がしっかり検証されて、かつ県民の皆さんの納得のないかぎり動かしません
野党側が狙う原発再稼働問題の争点化を阻止し、花角知事が当選を果たした。
自民党 沢野修 県議(2018年):自民党という名前を表に出さなかったことも勝利につながった

(Q.原発再稼働は争点化された?)
立憲民主党 西村智奈美 衆院議員(2018年):実は争点から消されてしまったのではないかという気がしている
そして今回も、花角知事は原発に関する考えに変わりがないことをアピールした。
花角知事:県民に信を問うことも含め、県民の皆様の意思を確認するプロセスが必要であるという考えに変更はございません
さらに、選対本部長に新潟商工会議所の福田勝之会頭をあてることで、今回も政党色を消す戦略を練る。
しかし、この4年間、花角知事が最大限に活用してきたのは“自民党とのパイプ”。
花角知事:佐渡島の金山の推薦の決定に至るまで、大変多くの国会議員の先生方にご支援をいただきました
良くも悪くも、自民党との結びつきの強さが強調される結果となった。

“原発再稼働反対”を掲げる片桐氏 野党議員や小泉元首相が支援
一方、片桐さんのもとには、与野党対決の構図に持ち込みたい野党が徐々に結集しつつある
立憲民主党県連 菊田真紀子 代表:原発について、ウクライナの危機で分かったことをみんなの意思として示せるように、力を合わせていきたい
自主投票を決めた立憲民主党の議員も、続々と支援を明言し始めている。

さらには政界引退後、原発ゼロを訴えて活動する小泉元首相も片桐さんの支援に回る。
小泉純一郎 元首相:新潟から原発ゼロをやっていけば盛り上がっていく
果たして、再稼働反対の声はどこまで広がりをみせるのか。
片桐奈保美 氏:私を支援して下さる方は、どなたでも行って支援を訴えていきたい

知事選の告示は5月12日。原発再稼働問題の争点化をめぐる両陣営の駆け引きは、さらに熱を帯びていきそうだ。