2022年6月3日金曜日

「苦渋の判断だ」丸山知事、島根原発2号機の再稼働容認

 島根県の丸山達也知事が、島根原発2号機の再稼働同意を、2日午前の県議会で表明しました。これで安全審査合格から8カ月半を経て地元同意の手続きがすべて完了します。
 丸山知事は、原発が国のエネルギー政策の中で「一定の役割を担う必要があると考える」「再稼働は現状においてはやむを得ないと考え、容認する判断をした」と述べ「住民に不安や心配が残るもので、苦渋の判断だ」と強調しました。
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「苦渋の判断だ」丸山知事、島根原発2号機の再稼働容認 福島第1原発と同じ沸騰水型
                           山陰中央新報 2022/6/2
 島根県の丸山達也知事が、中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働同意を、2日午前の県議会で表明した。原子力規制委員会による安全審査の合格から8カ月半を経て地元同意の手続きが完了し、近く中電と経済産業省に回答する。
【図表】島根原発2号機再稼働 各議会の議員の賛否まとめ

 判断の理由について丸山知事は、原発が国のエネルギー政策の中で「一定の役割を担う必要があると考える」と説明。「再稼働は現状においてはやむを得ないと考え、容認する判断をした」と述べた「住民に不安や心配が残るもので、苦渋の判断だ」と強調した。
 中電が島根2号機を再稼働するには今後、規制委の審査で工事計画と保安規定の認可を受ける必要がある。安全対策工事については現時点で2023年2月に完了予定としている。
 島根2号機は21年9月に安全対策に関する規制委の審査に合格。地元自治体は2、3月に原発が立地する松江市のほか、30キロ圏内の出雲、安来、雲南各市と、鳥取県、米子、境港両市の首長が再稼働に同意を表明した。県議会は、議長を除く全県議33人で構成する特別委員会が容認する委員長報告をまとめ、5月26日に賛成多数で可決した。
 島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地し、避難計画の策定が必要な30キロ圏内には島根、鳥取両県の計6市が入り、約46万人が居住。日本原子力発電東海第2原発(茨城県)などに次いで全国で3番目に多い。  (白築昂)

島根原発2号機
 事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型で、出力は82万キロワット。1989年2月に営業運転を始めた。定期検査のため2012年1月に運転を停止。13年12月に原子力規制委員会に新規制基準適合性審査を申請し、21年9月に合格した。1号機(46万キロワット)は廃炉作業中、3号機(137・3万キロワット)は規制委の審査が中断している。


【島根原発2号機】再稼働「同意」まで紆余曲折の10年(島根・松江市)
                        TSK山陰中央テレビ 2022/6/2
運転停止から10年以上を経て大きな局面を迎えた島根原発2号機。再稼働をめぐるこれまでの動きをまとめました。
丸山知事の表明で地元同意の手続きが完了した島根原発2号機。
中国電力担当者:「27日朝停止します」
運転を停止したのは2012年1月。その後、中国電力は再稼働を目指し、2013年12月に原子力規制委員会に安全対策の審査を申請。
原子力規制委:「何か問題が起こるかもしれないからないことにするという発想が出てくること自体どうかしているんじゃないか」
規制委員会から厳しい指摘を受けながら、福島第一原発事故後に強化された規制基準を満たすため、津波対策の防波壁を設置するなど安全対策を講じてきました。約8年に及ぶ審査の末…
原子力規制委員会・更田委員長:「正式に合格とする」
去年9月、安全審査の正式合格を迎えました。安全審査の合格後、焦点は地元の同意手続きに。
松江市・上定市長:「新規制規準にかかる安全対策の事前了解については、了解することといたします」
今年2月、同じく立地自治体である松江市がいち早く再稼働同意を表明。一方、原発30キロ圏内にある出雲、安来、雲南、米子、境港の5市と鳥取県は、かねてより求めてきた安全協定の改定について中国電力と議論を重ねました。
鳥取県・平井知事:「再稼働を全面的に、きょう無条件にOKするというものではない。私たちが求めたいのは『安全』というその一点」
鳥取県は、安全対策の徹底などの厳守を強く求めて容認するなど、今年4月までに周辺自治体のすべてが条件付きで再稼働容認を表明しました。
そして2日…周辺自治体や島根県議会などの意見を踏まえ、丸山知事が同意を表明。再稼働に向け、大きな局面を迎えました。