東電を中心に電力会社は猛暑に伴う電力不足を強調し、原発の再稼働につなげたい考えの様ですが、原発は海水を暖める度合いが火力発電の2倍程もあるのでとんでもない話です。
夏場の電力不足は太陽光発電が普及していれば起きない筈なのに、原発を再稼働したいがためにこれまで再生可能エネ発電に努力しないどころか、電線網を開放しないなどして逆に妨害して来ました。原発はそもそも耐震強度が不足しているのでその点からも動かせません。
植草一秀氏が、「電力不足は原発稼働根拠にならない」とする記事を出しました。
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電力不足は原発稼働根拠にならない
植草一秀の「知られざる真実」 2022年6月28日
6月27日(月)、関東甲信地方、東海地方、九州南部の梅雨明けが発表された。
各地とも平年より早い梅雨明けで、梅雨の期間は史上最短を更新した。
すでに日本列島の多くの箇所が酷暑に見舞われている。
熱中症のリスクが高まるため、水分補給、冷房使用などの対処が大切になる。
各地の降水量の不足が警戒される。今夏の水不足には十分な警戒が求められる。
気温上昇に伴い、電力使用量が増加し、電力の供給不足が懸念される。
ただし、日光の放射は拡大しており、太陽光発電が普及していれば、夏場の電力不足には対処できるはず。電力不足のアピールは原発再稼働論議が背景にある。
岸田内閣は原発稼働推進のスタンスを保持している。
電力会社は採算のために原発稼働を切望している。
岸田内閣は大資本の利害を優先して原発稼働に前のめりの姿勢を示している。
だが、7月10日に参院選投票日を控えており、原発再稼働推進を前面に出すと得票が減る恐れがあると考えられており、このために原発稼働のアピールが差し控えられている。
参院選後にどのような変化が示されるか。警戒を怠れない。
酷暑以上に心配なのが地震の頻発。日本全国で地震が頻発している。
もとより日本は世界最大の地震国。日本の地下に4つのプレートがぶつかり合っている。
大地震はプレートの境界で発生することが多い。
巨大地震が日本列島をいつ襲来してもおかしくない。
震度5を超える地震が頻発している。活断層の存在は地震が発生してから確認されることが多い。日本の原発直下に活断層が存在するリスクを否定することができない。
5月31日には、北海道泊村にある北海道電力・泊原子力発電所の安全性が争われた裁判で札幌地方裁判所が、「津波に対する安全性の基準を満たしていない」として北海道電力に3基ある原発すべてを運転しないよう命じる判決を言い渡している。
津波対策が不十分だとして原発の運転を認めない司法判断を示した。
訴訟は北海道電力・泊原発1~3号機周辺住民など1200人余りが「津波や地震への安全性が不十分だ」と主張して、運転の禁止や使用済み核燃料の撤去、原発の廃炉を求める訴えを起こしたもの。
津波対策が十分に取られているかどうかが争点になったが、札幌地裁は
「泊原発には津波防護施設が存在せず、津波に対する安全性の基準を満たしていない」と結論づけ、北海道電力に対し泊原発の1~3号機すべてを運転しないよう命じた。
関西電力大飯原発についても、かつて福井地裁が運転差止を命令する判断を示したが、これは原発の耐震対策が不十分であることを根拠とした。
日本の原発の耐震性能は極めて低い。福島事故以前、日本の原発の耐震設計基準はほとんどが400ガル程度に定められていた。
福島事故を受けて基準が引き上げられたが、それでも耐震設計基準は450ガルから800ガルの水準までしか引き上げられていない。
しかし、日本では1500ガルを超える地震の揺れが頻繁に確認されている。
そして、その1500ガルを超える揺れは日本列島のすべての場所で発生する可能性がある。
大飯原発等の運転差止命令を発した福井地方裁判所元裁判長の樋口英明氏は原発の耐震設計基準が不十分であることから運転差止命令を発した。当然の合理的な司法判断だ。
しかし、このような適正な判断を示す裁判官は決して多くない。
多くの裁判官が政府の意向を忖度して「原発訴訟は高度の専門技術訴訟である」ことを理由に挙げて原発稼働を容認する司法判断を示している。
しかし、1500ガル以上の揺れが頻繁に観測されるなかで、耐震設計基準が1000ガル以下の原発が危険であることは専門技術のない素人でも判断できる当然の論理。
原発稼働を容認するひらめ裁判官は、原発の耐震設計基準が十分であるか否かは「高度の専門技術」によって判断されねばならず、政府の専門家委員会が審査して合格させたのであるから、その判断が尊重されるべきだとするが、この判断が適正でないことは誰にでも分かる。
参院選では原発廃止を訴える政治勢力に投票することが必要。
国民民主党は原発推進であり、立憲民主党も原発推進の連合六産別の軍門に下っている。
日本共産党、れいわ新選組、社会民主党に投票を集中させる必要がある。
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