2022年6月17日金曜日

風力発電計画に蔵王国定公園が含まれる 宮城県・山形県の審査会が批判

 関西電力が宮城県川崎町で予定している風力発電の計画について、仙台市で開かれた宮城県の環境アセスメントに関する技術審査会で、計画地に蔵王国定公園が含まれていることが指摘され景観を専門とする東北大学の平野勝也准教授は、国定公園にかかるのは極めて異例だとして「普通の事業者はそのような場所は避ける」と批判しました。

 環境保全に詳しい有識者からなる山形県環境影響評価審査会では、関西電力がつくったものではない建設イメージが出回っていることが問題視され横山潤会長は、例えば景観に悪影響を及ぼしそうであってもこれくらいのレベルだと分かるようなフォトモンタージュを示して早めに計画のイメージを共有できるといい」と、正確な情報提供を求めました。
 蔵王温泉観光協会伊藤八会長「山形県民あげて反対すべき事案だと思っている」と述べました。
 関西電力では、今月27日に住民説明会を開く予定です。
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関西電力の風力発電計画に蔵王国定公園が含まれる 宮城県の審査会が批判
                         khb東日本放送 2022/6/16
 関西電力が宮城県川崎町で予定している風力発電の計画地に、蔵王国定公園が含まれていることが分かりました。県の審査会では、これについて批判が出ました。
 関西電力は、川崎町の南西部に高さ140メートルから180メートルほどの風力発電の風車を最大で23基つくる計画です。
 仙台市青葉区で開かれた県の環境アセスメントに関する技術審査会で、関西電力が予定する風力発電の計画地に蔵王国定公園が含まれていることが指摘されました
 審査会の会長で、景観を専門とする東北大学の平野勝也准教授は、計画地が国定公園にかかるのは極めて異例だとして「普通の事業者はそのような場所は避ける」と批判しました。
 これに対し関西電力の幹部は「国定公園を軽視しているわけではない」としつつも「今後調整していく」と述べるにとどまりました。
 風力発電計画について関西電力はスケジュールを明らかにしていませんが、川崎町によりますと関西電力は2028年度の着工、2031年度の運転開始を目指しているということです。
 また、審査会では蔵王の御釜からの眺望に影響が出る点についても懸念の声が上がりましたが、関西電力は「計画が実現した場合のイメージ図を近く公開できるよう準備している」としています。


「誤ったイメージ」を懸念 関西電力が東北で進める『風車発電事業』 山形県の審査会が『正確な情報提供』求める
                          テレビユー山形 2022/6/16
関西電力が宮城県に建設を計画する風力発電事業で、隣接する山形県はきょう周辺への影響を審査する委員会を開きました。
委員会では、誤った建設イメージが広まっているとして、関西電力に正確な情報を提供するよう求めました。
関西電力は山形市と隣接する宮城県川崎町に風力発電施設の建設を計画しています。
およそ1600ヘクタールの私有林に、高さ140メートルから180メートルの風車を最大23機設置するものです。
発電した電気は、東北電力ネットワークが買い取る予定です。
関西電力では現在、周辺への影響の回避・低減策をまとめた「配慮書」を公表し、知事や住民からの意見を求めています。
きょうは、関西電力を交え、環境保全に詳しい有識者からなる山形県環境影響評価審査会が開かれました。
審査会は科学的な視点で評価するものですが、きょうは関西電力がつくったものではない建設イメージが出回っていることが問題視されました。
山形県環境影響審査委員会 横山潤 会長「少し誇張が過ぎるような情報を(一般人が)流すことは簡単にでき、それが独り歩きすると別の問題が生じるので、例えば景観に悪影響を及ぼしそうであってもこれくらいのレベルだと分かるようなフォトモンタージュを示して早めに計画のイメージを共有できるといい
正確な情報提供が求められた一方で。
報告 鈴木竜弘「山形市蔵王温泉です。こちらでは、きのう関西電力から、温泉関係者を集めて非公開で風力発電計画の説明会が開かれました。関係者は、この計画をどう受け止めているのでしょうか?」
説明会に出席した蔵王温泉観光協会の伊藤会長は、関西電力がなぜ東北の蔵王で計画を進めているのか疑問を持ったといいます。
蔵王温泉観光協会 伊藤八右衛門 会長「関西にも山があるし、風も吹くので、関西電力は、まず自分の営業エリアの中で発電計画を作るのが一番ではないか」
関西電力によりますと、仮に計画が実現した場合、蔵王温泉スキー場内の蔵王地蔵尊と中央ゲレンデから、発電施設が見える可能性があるということです。
伊藤会長は、景観が損なわれ、観光客が減少すると懸念しています。
蔵王温泉観光協会 伊藤八右衛門 会長「(観光客の)減少が蔵王温泉だけではなくて山形県全域にも及ぶと考えているので、山形県民あげて反対すべき事案だと思っている」
一方、飲食店関係者からはこんな声も。
蔵王温泉の飲食店関係者「自然の中に人工物があるというのは気にはなるかもしれないが、
電気は人が使っているので非常に難しいところ」
関西電力の担当者「地域の人からさまざまな意見をいただいている。不安な点やそういった意見を真摯に受け止めて何か対策を打てるのかどうかを検討しながら丁寧に説明していきたい」
関西電力では、今月27日に住民説明会を開く予定です。