2022年6月13日月曜日

13- 夏の停電回避へ節電を 発電所の点検強化 政府・電力業界

 この夏は10年に1度の猛暑と予想されているようです。7月のピーク需要に対する予備率は東北、東京、中部の3電力管内で31%と、安定供給に最低限必要な3%ぎりぎりになる見通しです

 このため政府は、7~9月に15年度以来となる全国規模の節電を要請し電力不足の恐れを早めに伝える「電力需給逼迫注意報」新設し、広域的な予備率が5%を下回る場合に発令するということです。
 対策のひとつとして東京電力は7~9月、指定の時間帯に節電に協力するとポイントがもらえるキャンペーンを実施し、東北電力も同様の取り組みを行います。中部電力も「節電に協力してもらう仕組み」を検討中です。
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夏の停電回避へ節電を 発電所の点検強化 政府・電力業界
                            時事通信 2022/6/12
 電力不足が懸念される夏を前に、政府と電力大手が需要の抑制と供給力確保に乗り出した。
  【図解】停電回避のための政府の情報発信
 大規模停電の回避に向け、家庭や企業に節電を要請する一方、火力発電所の突発的な停止を防ぐための点検強化など対応を急ぐ
 経済産業省によると、10年に1度の猛暑を想定すると、7月はピーク需要に対する電力供給の余力を示す「予備率」が東北、東京、中部の3電力管内で31%と、安定供給に最低限必要な3%ぎりぎりとなる見通し。北陸、関西、中国、四国、九州の5電力管内は38%で、需給は全国的に「2017年度以降で最も厳しい」という。
 背景には、脱炭素化で火力発電所の休廃止が増えていることがある。東京電力福島第1原発事故後に再稼働した原発10基のうち、稼働中は西日本側の一部。太陽光の発電量が減る今冬の需給はさらに厳しくなるという。
 このため政府は、7~9月に15年度以来となる全国規模の節電を要請している。夏の節電の数値目標は見送ったが、例えば室温が26度から28度になるようにエアコンの冷房を弱めると消費電力を約6%抑えられるという。電力不足の恐れを早めに伝える「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」も新設し、広域的な予備率が5%を下回る場合に発令。3%割れの恐れを伝える「警報」に先立ち、需給の厳しさを伝える。

 東京電力ホールディングスは7~9月、指定の時間帯に節電に協力するとポイントがもらえるキャンペーンを実施し、前年比3%の節電を目指す。東北電力も同様の取り組みを行い「ウクライナ侵攻の影響で電気代上昇が続く中、節電は家計にメリットがある」(広報)とアピールしていく。中部電力も「節電に協力してもらう仕組み」(同)を検討中だ。
 供給力確保に向け、萩生田光一経産相は「休止電源の稼働や追加的な燃料調達、再生可能エネルギーや原子力の最大限の活用などあらゆる対策を講じる」と強調。関西電力は、停止中の美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転再開を10月から8月12日に前倒しする。
 東電と中部電力の共同出資会社「JERA」(東京)や東北電は、火力発電所で不測の停止が発生しないよう巡回点検を増やす。東北電は「運転データに通常と異なる変化があれば原因を分析し、トラブル防止に努める」(広報)という。