福島第一原発1号機の大型ガレキの撤去に向けて再び建屋カバーが取り付けられるということです。それは原子炉建屋をすっぽり覆うようなかたちで、カバーの中にクレーンを設置したり、いろいろな大型の機械を設置するので、強度を持った大きなものになります。
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福島復興への最難関 第一原発廃炉の状況は 1号機内部のガレキ撤去へ向け大型カバーを設置へ
福島中央テレビ 2022/6/23
福島復興への最も大きな壁、第一原発の廃炉の状況を取材した。
1号機は最上部の天井や壁が吹き飛び、骨組みが見えている。
この天井にはかつては燃料を運ぶクレーンが設置されていたが、爆発の際に落下して大型のガレキとなってしまった。
実はこのガレキの下には使用済み燃料プールがあり、今も400体ほどの燃料が取り残されている。
まずはこのガレキ撤去に向け、再びある設備の設置が進められていた。
2011年3月の原発事故で、最も早くメルトダウンを起こし、水素爆発を起こした1号機。
放射性物質の飛散を防ぐため、一度、大型のカバーが取り付けられたが、2016年に散乱したガレキを取り除くためカバーは取り外された。
小さなガレキは撤去されたが、大型のガレキが今も残っていて、しかも、そのガレキは392体の核燃料がある燃料プールを覆ってしまっている。
むき出しになった上部を見ると、大きなガレキがあり、本格的なガレキの撤去に向けて、これから再び建屋カバーが取り付けられる。
設置し直す新しいカバーは以前の建屋カバーよりも太い鉄骨を大量に使用していて、頑丈なつくりになっている。
1号機から離れた、放射線量が低いエリアで、仮組みをし、位置や高さなどを十分に確認したあとで、現場へ、専用の車両で運搬して、組み立てていく。
なぜより大がかりなカバーをもう一度設置するのか。
経済産業省資源エネルギー庁の木野正登参事官は、「カバーの中にクレーンを設置したり、いろいろな大型の機械を設置するので、耐久性を持たせる必要があるし、1号機の原子炉建屋をすっぽり覆うようなかたちで、やはりどうしても大きくなる」と話す。
建屋カバーの再設置は来年度中に完了予定で、その後、本格的なガレキ撤去が進められ、使用済み燃料プールからの燃料取り出し開始は2027年度が目標だ。