2022年6月22日水曜日

事業者節電分、電力会社が買い取り 新制度導入

 21に開かれた「物価・賃金・生活総合対策本部」の初会合で、本部長を務める岸田首相電気代上昇や電力需給逼迫への対応策として、節電にとり組んだ家庭にポイントを付与する制度を新設する方針を示すとともに、事業者向けには、節電分を電力会社が買い取る制度も新たに導入します。政府は7日、今夏の電力需給の逼迫に備え、7年ぶりに家庭や企業に節電を要請しましが、今冬の電力需給はさらに厳しくなる見通しで、冬に向けて支援策の具体化を急ぐとしています。

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事業者節電分、電力会社が買い取り 新制度導入 物価高対策本部
                           毎日新聞 2022/6/21
 政府は21日、ロシアのウクライナ侵攻を受けた物価高への対応策などを議論する「物価・賃金・生活総合対策本部」の初会合を首相官邸で開いた。本部長を務める岸田文雄首相は、電気代上昇や電力需給逼迫(ひっぱく)への対応策として、節電にとり組んだ家庭にポイントを付与する制度を新設する方針を示した。
 22日に公示される参院選を前に立憲民主党など野党は「岸田インフレ」などと非難を強めている。首相は足元の状況はウクライナ情勢を背景とした「有事の価格高騰」と位置付けており、対策に取り組む姿勢をアピールする狙いだ。
 エネルギー価格の高騰対策として電気の効率利用を促進する。消費者向けには節電に応じたポイント還元制度を検討。一部の電力会社がアプリなどを使って進めているポイント還元の取り組みを後押しすると共に、幅広い国民が利用できるように制度を設計する。
 事業者向けには、節電分を電力会社が買い取る制度も新たに導入する。政府は7日、今夏の電力需給の逼迫に備え、7年ぶりに家庭や企業に節電を要請した。今冬の電力需給はさらに厳しくなる見通しで、冬に向けて支援策の具体化を急ぐ
 食料品高騰への対策として、農産品の生産コストの1割減を目指す新たな支援金制度を創設。10月以降の輸入小麦の製粉会社への売り渡し価格の抑制も検討する。このほか、今年度の補正予算で確保した5.5兆円の予備費を活用し、地方創生臨時交付金を増額する。賃上げについても最低賃金の引き上げに向けて議論を進める。
 岸田首相は会合で「生活に直結する食料品価格や穀物価格、エネルギー価格等の物価動向やその経済に及ぼす影響を注視し、きめ細かく、切れ目なく対応する」と強調した。【松山文音、安部志帆子】