2022年6月8日水曜日

「差し止め判決」の泊原発 視察の規制委が北電に苦言

 原子力規制委が泊原発視察し、争点となった津波対策の現状を確認しました。
 札幌地裁は5月「泊原発には津波を防ぐ施設が存在せず、安全性の基準を満たしていない」などとして、運転差し止めを命じました。同原発には実高6・5m(海抜16・5m)の防潮堤が出来上がっているのですが、肝心の地盤が地震時に流動化する惧れがあるため津波を防げないと判断されたものです。
 規制委は北電に対し、審査が長期化していることについて、質問には迅速に答えるよう苦言を呈しました
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「差し止め判決」北海道・泊原発 視察の規制委が北電に苦言 その内容は?
                       STVニュース北海道 2022/06/07
札幌地裁が5月、再稼働を認めない判決を下した泊原発
原子力規制委員会が現地視察し、争点となった津波対策の現状を確認しました。
規制委員会の目にはどう映ったのでしょうか。
7日午前9時。泊原発を視察した原子力規制委員会の山中伸介委員。
原子炉格納容器内などで、北電側から泊原発の安全性などについて説明を受けました。
泊原発は、2011年に定期検査のため運転を停止。
運転再開には原子力規制委員会の審査に通る必要がありますが、2013年の申請以降、再稼働が認められない状況が約9年続いています。
廃炉や運転差し止めを求める地元住民などが起こした裁判で、札幌地裁は5月「泊原発には津波を防ぐ施設が存在せず、安全性の基準を満たしていない」などとして、運転差し止めを命じ、再開を認めない判決を言い渡しました。
再稼働に向けて焦点となっているのが、津波を防ぐ防潮堤です。
(北電担当者)「あそこが新設する防潮堤の海側の線にだいたいなります」
7日の視察でも、防潮堤の計画について北電側から説明がありました。
現在泊原発の海岸側には、2014年に建設された6.5メートルの防潮堤があり、海抜16.5メートル地点までの高さが確保されています。
北電は安全性を高めるため、より強固な防潮堤に作り替える計画で、既設の防潮堤を撤去する工事が進んでいます。
原子力規制委員会 山中伸介委員)「具体的にどういう点が詳細な設計に響いてくるかは、今後の審査を待たなければいけないが、設置の形状や設置の場所は、こういうところが問題になりそうだなというのが、今日の説明で私自身理解できたかなと思います」
さらに規制委員会は北電に対し、審査が長期化していることについて、質問には迅速に答えるよう苦言を呈しました
原子力規制委員会 山中伸介 委員)「規制委員会から出た質問コメントに対して、できるだけ迅速にあるいは明確にお答えいただけるような態勢組織を構築して、審査に臨んでいただきたいとは思うんです」
再稼働のめどが立たない泊原発。
安全性が認められるためにも、根拠のある説明と防災対策が求められています。