2022年7月6日水曜日

川内原発運転延長申請期限まで1年 周辺8市町は賛否表明に消極的

 40年の運転限度が迫る九州電力川内原発1号機は4日、運転延長に必要な原子力規制委への申請期日が残り1年となりました。九電が運転延長を申請した場合、立地市の薩摩川内市が意見を表明するとしている一方で、30キロ圏の他の8市町は「現時点で予定はない」と消極的な姿勢ということです。なお川内原発の延長手続きでは、事業者が立地自治体や周辺自治体の同意を取り付ける規定はないということです。
 唯一東海第2原発が立地する東海村の他に30キロ圏の周辺5市も加わり、再稼働や延長に際して「事前了解」を取る規定を結びましたが、実際には、周辺5市も全て再稼働に賛成しました。具体的な理由は不明ですがそこにも同調圧力が及んだように思われます。
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川内原発運転延長申請期限まで1年 周辺8市町、賛否表明に消極的 「現時点で予定ない」
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 原則40年の運転期限が迫る九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)は4日、延長に必要な原子力規制委員会への申請期日が残り1年となる。九電が運転延長を申請した場合、薩摩川内市が意見を表明するとしている一方、30キロ圏の他の8市町は「現時点で予定はない」と消極姿勢が目立つ
 運転期限は1号機が2024年7月、2号機は25年11月に迎え、規制委の認可を受ければ最長20年延長できる。九電は両機とも特別点検を実施中。結果などを踏まえて申請するかを判断するとしているが、すでに安全対策に巨費を投じており申請は確実とみられる。
 延長申請した場合、立地する薩摩川内市は「しかるべき時期に延長に対する考えを示す」としている。一方、南日本新聞が周辺8市町を取材したところ、阿久根市は「国の責任において判断すべき問題で、賛否を示す立場にない」、いちき串木野市は「県において隣接自治体の考えを聞いてもらいたい」と説明。6市町は延長の明言がない、動向を注視するなどとして「予定はない・未定」と答えた。

 川内原発の延長手続きでは、事業者が立地自治体や周辺自治体の同意を取り付ける規定はない。9市町によると、九電側と結ぶ原発に関する安全、防災協定でも、運転延長の手続きは「事前協議」や「事前説明」の対象ではないという。地元の意見を積極的に聞いてもらうための協定見直しの必要性を聞いたところ、「安全性に関する情報提供は随時行われている」「事業者において説明に努めてほしい」「県や他自治体と協議した上で検討したい」と回答。現時点で見直しを考えているとした自治体はなかった。
 東海第2原発が立地する茨城県東海村は2018年3月、事業者の日本原子力発電(原電)と新たな協定を結んだ。30キロ圏の周辺5市も加わり、原電が再稼働や延長する時は、6市村から「事前了解」を取る規定を盛り込んだ。
 きっかけは隣県で起きた11年の福島第1原発事故で広い範囲が放射性物質に汚染されたこと。東海第2原発の周辺自治体は安全性確保のため、積極的に自分たちの意見を聞いてもらおうと、新協定締結を原電側に働きかけた。
 村によると、新協定そのものに法的拘束力はない。ただし「事前了解」は自治体と事業者が信頼の下で結んだ権限であり、「一自治体でも反対した場合、事業は進められないことを原電と確認している」という。
 原子力防災に詳しい東京女子大学名誉教授の広瀬弘忠さん(災害リスク学)は「重大事故が発生すれば、30キロ圏の住民は被災者になる。住民の安全を守る立場として、川内原発の立地・周辺自治体も事業者側にしっかり意見を聞いてもらえるよう、協定見直しなど各種の権限を明文化しておくことは大切」と指摘した。