原発事故の際に甲状腺の被ばくを抑える『安定ヨウ素剤』を、新潟県は柏崎刈羽原発の30キロ圏内の住民に対し説明会を開いて配りました。
それとは別に、中越沖地震の発生から15年になる7月15日、東電と柏崎市消防は柏崎刈羽原発で重大事故が起きた想定で合同訓練を行いました。
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原発事故に備え UPZでヨウ素剤事前配布 柏崎市民対象に
BSN新潟放送 2022/7/18
原発事故の際に甲状腺の被ばくを抑える『安定ヨウ素剤』について、新潟県は、新たに事前配布の対象となった30キロ圏内の住民に対し説明会を開いてヨウ素剤を配りました。
【写真を見る】原発事故に備え UPZでヨウ素剤事前配布 柏崎市民対象に
説明会は、希望者を対象に16日と17日に柏崎市で開かれました。
新たに、安定ヨウ素剤の事前配布の対象となったのは柏崎刈羽原発から5キロから30キロ圏内のUPZに住む40歳未満の柏崎市民です。
これまで事前配布は5キロ圏内のPAZの住民のみが対象で、UPZの住民に対しては、避難の途中で緊急的に配布する方針でした。しかし、記録的な豪雪など自然災害と重なった場合にスムーズな配布が難しくなるといった課題が浮かんでいました。そこで県は国からの補助金を活用し事前配布することを決め、今回初めて説明会を開きました。
【県感染症対策 薬務課 若林崇浩薬務係長】「福島の原発の事故においても『事前に配布出来たら』というところがあったので、会場での配布に限らず、郵送での配布であるとか、薬局配布もあるので、ぜひ活用してもらえれば」
今後は郵送や薬局での事前配布を受け付けているということです。
≪柏崎刈羽原発≫
中越沖地震15年 東京電力と柏崎市消防が連携を確認 原発重大事故を想定した合同訓練
TeNYテレビ新潟 2022/7/18
最大震度6強を観測した中越沖地震の発生からことしで15年。東京電力と柏崎市消防は7月15日、大規模地震によって柏崎刈羽原発で重大事故が起きた想定で合同訓練を行いました。
訓練は中越地方の沖合を震源とした大規模な地震が2回続けて発生した想定で行われました。
1回目の地震では柏崎市などで震度6弱を観測。東京電力は5号機の原子炉建屋内に緊急時対策本部を設置し、発電所内の情報収集や各所への通報などの流れを確認しました。
2回目の地震では震度6強を観測。5号機の軽油タンクに亀裂が入り、油漏れによる火災が発生した想定で訓練が行われました。
2007年7月16日に発生した中越沖地震。柏崎市などで最大震度6強を観測し、柏崎刈羽原発では3号機の変圧器で火災が発生しました。
今回の訓練では火災が発生した場合の早急な鎮火を目指し、東京電力の自衛消防隊に加え、柏崎市消防本部の隊員も出動して共同で軽油タンクへの放水を行いました。
<柏崎市消防 山﨑定義署長>:「指揮隊の運用訓練にしても、まだまだ東電の自衛消防隊と消防本部の指揮隊の共有等がもう少し進んでいけば…というのが個人的な意見」
<柏崎刈羽原発稲垣武之所長>:「柏崎市消防のコミュニケーションの良さは見習うべきところがある。しっかりこれを自衛消防隊でも体現していくように私も所長として努めてまいりたいと思う」
中越沖地震の発生から15年。東京電力と柏崎市消防本部は合同訓練を通して連係についてあらためて確認していました。