2日、福島原発3号機建屋の最上階にある使用済み燃料プールに落ちた巨大「がれき」(燃料交換機=大型装置)の撤去作業が行われ、無事に終了しました。
今後はプール内に残っている小さながれきの撤去に移ります。
同燃料プールには今も566本の核燃料が残るとされていますが、プールの中には爆発で吹き飛んだ大量のがれきが落下していて、燃料取り出しの障害になっています。その最大のものは使用済み核燃料燃料を出し入れする燃料交換機(自動式天井クレーン及び同レール)で、重量は35トンありますが、これまでに水中カッターで切断して1個あたり最大重量20トンに減じてありました。
燃料プールフロアの空間線量は200ミリシーベルト/時 以上あるので、地上からアームを伸ばした2台のクレーンを遠隔操作して行いました。作業中に燃料プールに再落下させた場合爆発が起きる危険性があるため、エリア内の他の全ての作業を中断して作業員は退避させたということです。
原発事故時 天井クレーンが落下したのは3号機だけで、この建屋内が強烈なレベルで放射能汚染(1階では5000ミリシーベルト/時 弱)をしているので、水素爆発に誘発された何か他の爆発が燃料プールエリアで起こったのではないかと疑われています。
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福島第一3号機 巨大装置撤去へつり上げ開始
NHK NEWS WEB 2015年8月2日
東京電力福島第一原子力発電所3号機で、爆発で吹き飛んで使用済み燃料プールに落下した重さ20トンある巨大な装置の撤去作業が2日朝から行われ、正午ごろ、遠隔操作のクレーンで装置をつり上げる作業が始まりました。東京電力によりますと、これまでのところトラブルは起きていないということです。
福島第一原発3号機では、爆発によって原子炉建屋の最上階にある使用済み燃料プールに落下した重さ20トンある「燃料交換機」と呼ばれる巨大な装置を、2日に撤去する計画です。
現場は放射線量が極めて高いため、作業は遠隔操作のクレーンなどに取り付けたカメラの映像を頼りに行われ、午前10時ごろから装置の吊り上げに向けてクレーンの先端の工具を固定する作業が始まりました。
現場には濃い霧がかかり視界が極めて悪いことなどから、東京電力で慎重に作業を進めた結果、2日正午ごろ、装置をつり上げる作業が始まったということです。
また、東京電力によりますと、これまでのところトラブルはないということです。
3号機の使用済み燃料プールには今も566体の核燃料が残されたままとなっていて、今回の作業で燃料交換機が落下すれば核燃料が損傷するおそれもあることから、作業員の安全を考慮してほかの廃炉作業を中断するなど、細心の注意を払って作業を進めています。
燃料プールの大型がれき引き上げ 福島第1原発3号機
東京新聞 2015年8月2日
東京電力は2日、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールに落ちて廃炉作業の支障となっていた「燃料取扱機」を大型クレーンで引き上げた。重さ約20トンとプール内で最大のがれき。誤って落とせば燃料の損傷など重大事故につながりかねず、屋外での全ての作業を中断するなど厳戒態勢で臨んだ。
東電は「がれき撤去作業は大きく進展し、今後の燃料取り出しと廃炉に向けて大きな一歩となった」と評価した。
現場は放射線量が極めて高いため、引き上げは2日午前11時55分ごろ、遠隔操作で大型クレーン2台を使って開始。午後1時18分ごろ撤去作業を終了した。(共同)