2015年8月22日土曜日

川内原発1号機、出力上昇中に海水が混入

 再稼働した川内原発1号機九電は21日、発電機用タービン出口の復水器出口(2次冷却水に海水が混入した恐れがあるため、予定していた出力上昇を延期すると発表しました。
 復水器内には海水で冷却するための細管約2万6000本/台通っているのですが、そどれかに穴が開いたとみられています
 この事故は全国で過去に50回ほど起きていて、破損配管が分かれば菅板でその箇所を封止してから再起動するというのですが・・・
 
 因みに川内原発は運転開始から31年目に入っていて、つい先日規制委がロクな検討もしないままに40年運転への延長を認めたばかりです。
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川内原発 フル出力運転にも遅れ 出力上昇延期で 
毎日新聞 2015年08月21日
 ◇復水器に海水が混じり込むトラブル
 九州電力は21日、同日予定していた川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の出力上昇を延期すると発表した。復水器に海水が混じり込むトラブルがあったためで、出力上昇の再開時期は未定。25日に予定していたフル出力運転や9月上旬からの営業運転は遅れる見通しだ。
 
 今月11日に再稼働後、1号機の工程がトラブルで遅れるのは初めて。1号機は2011年5月から長期停止しており、専門家の間でも設備の劣化から生じるトラブルを懸念する声があった。周辺環境への放射性物質の影響はないという。
 復水器は蒸気タービンで使った水蒸気を海水で冷却して水に戻す装置。九電によると、20日昼すぎ、復水器にたまった水を発電系統に送り出す復水ポンプの出口で、水の電気の流れやすさを計る機器の数値が上昇した。九電は復水器の機能の一部を停止したが、大半は正常なため、現在の出力75%で運転を継続するとしている。
 九電は発電系機器の腐食を防ぐため、海水が混じり込まないようにしているが、復水器の配管に小さな穴が開いていた可能性がある。今後、不具合箇所を特定できれば、海水が流れ出ないようにする措置を取るという。
 
 川内原発1号機は14日に発電と送電を開始した。通常は1週間程度でフル出力運転にするが、今回は慎重を期して11日間かける予定だった。九電は「引き続き安全確保を最優先に、一つ一つの工程を慎重に実施する」としている。【遠山和宏、寺田剛】
 
 
川内1号機、出力上昇を延期 2次冷却水に海水混入か-九電

時事通信 2015年8月21日
 九州電力は21日、再稼働した川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)について、2次冷却水に海水が混入した恐れがあるため、予定していた出力上昇を延期すると発表した。点検に少なくとも1週間程度かかる見込みで、25日に予定していたフル稼働は遅れる。
 
 九電は「3台ある復水器のうち、1台に微量の海水が混入していると推定されるが、除去できており運転継続に支障はない」と説明している。
 九電によると20日午後、2次冷却水を循環させる復水ポンプの出口で、水中の塩分濃度を監視する「電気伝導率」の数値が上昇した。発電タービンを回した後に2次冷却水を冷やす復水器内の水を調べたところ、実際に塩分濃度が上昇していた。
 復水器には、冷却用の海水を取り込む細管が1台当たり約2万6000本通っている。九電はこの中のいずれかに穴が開き、海水が復水器内に漏れたとみている。点検で漏えい箇所が見つかれば、その配管を封鎖する。
 同様のトラブルは全国で過去に50回ほど起きているといい、川内原発では初めて。九電では玄海原発1号機(佐賀県玄海町)で1997年、99年の2回あったという。
 川内1号機は11日、新規制基準に基づき全国の原発で初めて再稼働した。出力は16日に50%、19日に75%に到達し、21日に95%に上昇させる予定だった。