2015年8月26日水曜日

自主避難者支援が縮小へ 基本方針改定を閣議決定

 政府は福島原発事故の自主避難者らを援助する「子ども・被災者支援法」の改定を決めました。
 改定基本方針は、「空間放射線量は事故後年以上経過して低下したので新たに避難する状況にはない」として、自主避難者への住宅の無償提供を17月で打ち切るとしています。
 その一方で支援対象地域に暮らす人、避難している人、帰還する人がいずれも「安心して自立した生活ができるよう支援に取り組む」と明記し、個別の施策ごとに設定する準支援対象地域の継続盛り込みました
 
 「新たに避難する状況にはない」のは当然ですが、「安心して自立した生活ができるよう支援に取り組む」と明記する一方で、早々に住宅の無償提供を打ち切ったり、慰謝料を打ち切ったりするのは、放射能被害が基本的にはなくなったということにしたいというだけのことで、納得できません。
 出来るだけ早く片付けたいということではなく、自主避難者らを区別せずに援助するという「子ども・被災者支援法」の理念を貫くべきです。 
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自主避難者 被災者支援が将来縮小へ 基本方針改定を閣議決定
東京新聞 2015年8月25
 政府は二十五日、東京電力福島第一原発事故の自主避難者らを援助する「子ども・被災者支援法」の改定基本方針を閣議決定した。福島県浜通り、中通り地方の三十三市町村を指定している支援対象地域を当面維持する一方、放射線量が低下しているとして対象地域を将来的に縮小、撤廃することが適当とし、帰還や定住支援に重点を置くとした。
 
 竹下亘復興相は記者会見で「避難している人も住み続けている人も、一人一人の事情に合わせて支援を考えたい」と述べた。
 改定基本方針は、被災地の空間放射線量が事故後四年以上経過して低下しているとして「新たに避難する状況にはない」と指摘。福島県が自主避難者への住宅の無償提供を二〇一七年三月で打ち切ると決定したことも放射線量の低減に合っているとした。
 ただ、自主避難者が帰還や移住を判断するには「一定の期間が必要」として対象地域の縮小、撤廃は見送った。
 対象地域に暮らす人、避難している人、帰還する人がいずれも「安心して自立した生活ができるよう支援に取り組む」と明記。個別の施策ごとに設定する準支援対象地域の継続も盛り込んだ。
 
◆基本方針ポイント
▼被災地の空間放射線量は事故後四年以上経過して低下。新たに避難する状況にはない。
▼自主避難者が帰還や移住を判断するには一定の期間が必要で、支援対象地域を当面維持。
▼将来的には支援対象地域を縮小、撤廃することが適当。帰還や定住支援に重点を置く。