2015年8月20日木曜日

首都圏反原発連合が 安倍総理大臣へ申し入れ

 8月19日、首都圏反原発連合は安倍総理大臣宛に申し入れを行いました
 要請文は下記のとおりです。
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安倍晋三内閣総理大臣殿 
 
【要請項目】
1) 九州電力川内原子力発電所1号機をただちに停止し、今後も全ての原発の再稼働をさせないこと。
2) 「エネルギー基本計画」において、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた2014年の閣議決定を白紙撤回し、前政権の打ち出した方針を基に脱原発政策をとること。
3) 2015年の「長期エネルギー需給見通し」において「2030年度の原子力発電の電源構成比率を20~22%とすること」を撤回し、「2030年度の原子力発電の電源構成比率を0%とすること」とし、1日も早い脱原発社会の構築に努めること。
 
【要請趣旨】
 2015年8月11日、鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発1号機の原子炉を起動し、再稼働したことについて、再稼働直前の世論調査では、再稼働反対が賛成の3倍にも及んだことからもわかるように、福島第一原発事故の収束や、事故により顕在化した課題が解消されていないままの再稼働に対し、国民の多くは納得できず憤りを感じている。
 
 この度の自民党安倍政権と九州電力による拙速な再稼働においては、避難計画の実効性、巨大噴火への対応、高レベル放射性廃棄物の処分場、老朽化を含む安全性、合意形成のあり方など、多くの問題が据え置きにされているのは明らかであるが、政府は「世界で最も厳しい新規制基準に適合した」の一点張りで、国民の納得できる道筋を作る努力を一切しなかった。また、その新規制基準はとても世界最高水準とは言えないものである。
 
 2013年9月に関西電力大飯原発3、4号機が定期検査で停止して以来、日本は約2年もの間一基の原発も動いておらず、その間も電力が不足することがなかったことからも、川内原発を拙速に再稼働させる理由が見つからない。理由があるとすれば、それは一部の利権に他ならない。世界銀行が「原発は融資の対象としない」と表明したように、原子力産業は終焉の時代を迎えており、事実上破綻していることからもわかるように、原子力産業に未来はなく、付け焼き刃での政策は将来的にはかえって経済的破綻をもたらすものである。
 
 政府・自治体・規制庁・事業者は責任を互いになすり付け合い、事故が起こってもどこが最終責任をとるのか不明瞭なまま再稼働されたが、2014年に安倍政権が閣議決定で、「エネルギー基本計画」において原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、原発推進政策に回帰したこと、原子力災害対策本部の本部長が安倍総理であることから、最終責任者は総理であることは明白な事実である。万が一原発事故が起これば福島原発事故からもわかるように、多くの人々が犠牲になり、環境が破壊され、国富の流出を招く。このようなリスクを国民に負わせる安倍総理は「亡国の首相」である。
 
 人類は核とは共存できない、健全な環境と社会を子どもたちに残さなければならない。
 わたしたちは、川内原発再稼働は民意を無視した安倍政権の独裁による「原発回帰」であり、3.11福島原発事故の直接的被害者や圧倒的脱原発世論への裏切り、さらには民主主義への冒涜であると位置づけ、今後も徹底的に安倍政権の原発推進政策を批判し抗議すると同時に、具体的には上記の項目について強く要請する。
 
 川内原発から直線距離で約50kmにある桜島の活動が活発化しており、噴火警戒レベルが「4(避難準備)」に引き上げられ、火山性地震も起きている。巨大噴火の原発への影響は未知数であり、政府が「安全だ」と言っても誰も信用せず、大噴火があった時の原発への影響を多くの国民が懸念している。政府は即刻、川内原発1号機の稼働を停止すべきである。
2015年8月19日
首都圏反原発連合