川内原発1号機の復水器の細管が損傷し海水が混入したトラブルで、海水の混入量は470リットルと推定されるということです。海水混入による塩類濃度上昇分から逆算したものと思われます。
また細管は長年(運転開始から31年以上)の使用により磨耗したために損傷したと考えられ、損傷した細管5本と損傷の可能性がある細管64本に栓をした上で、27日から再運転に入るということです。
磨耗や腐食が損傷の原因であれば、同じ損傷事故は今後も続発すると思われます。
なお、復水ラインの下流には復水脱塩装置が付いているので、海水の混入量が少量であれば塩分はそこで除去されます。
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原発海水混入470リットル=川内1号機細管、すり減りか-九電
時事通信 2015年8月25日
再稼働した九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の復水器と呼ばれる設備で細管が損傷し、海水が混入したトラブルで、九電は25日、混入量を470リットルと見積もっていることを明らかにした。細管は過去の使用ですり減った状態だったとみられ、今回の再稼働過程で発生した熱水が衝突した結果、損傷したと考えられるという。
九電は損傷した細管5本と損傷の可能性がある細管64本に栓をした上で、27日から出力を上昇させると説明。現在の出力は75%で、今回のトラブルにより100%出力や営業運転の開始は6日以上遅れる見込みとなった。
九電によると、今回損傷した細管の定期検査が最後に行われたのは2006年1月。その際は問題ないと判断したといい、九電は「定期検査の間隔が適切か検討する」と釈明した。川内1号機は運転開始から31年以上が経過しているが、これまで復水器の細管が取り換えられたことはない。
九電は混入した海水について、配管内に設置された脱塩装置で回収できていると主張し、問題ないとの考えを示した。