2015年9月1日火曜日

核のごみ抑制策なく再稼動するのは無責任と 日本学術会議

 日本学術会議は、核のごみの最終処分のめどが立たない中、川内原発再稼働させたことに、「将来世代に対する責任倫理を欠く」として批判しています。
 
 同会議はこの4月にも、原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分に関し、「国民的な合意を得られるまで暫定保管すべきだ」とし、暫定保管の計画作りを原発再稼働前提条件とするよう国や電力会社に求めましたが、何の対応もないままに原発の再稼動が進められています
 学術会議は10月に東京で公開フォーラムを実施し、提言に耳を傾けるよう訴えかける方針です。
 
 4月29日の関連の記事も併せて紹介します。
 
   (関係記事)
2月16日 核のゴミ対策の明確化を再稼動の条件にと 学術会議
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<原発再稼動> 核のごみ抑制策なく無責任
河北新報 2015年8月31日
◎日本学術会議が異議
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分のめどが立たない中、九州電力川内原発(鹿児島県)が再稼働したことに、科学者団体の日本学術会議が異議を唱えている。学術会議は最終処分への国民理解を得るため、核のごみの暫定保管計画の策定などを再稼働の条件とするよう提言したが、国や電力会社は応じていない。学術会議は10月に東京で公開フォーラムを実施し、提言に耳を傾けるよう訴えかける方針だ。(東京支社・小沢邦嘉)
 
 再稼働に反発するのは、学術会議の「高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会」のメンバー。委員長の今田高俊東工大名誉教授(社会システム論)は「再稼働は核のごみの増大につながる。この先、どれだけ発生するのか不確定なままでは国民は納得せず、将来世代にも無責任だ」と指摘する。
 4月に公表した提言は、核のごみを原則50年暫定保管する間、国民の合意形成を図りながら最終処分地を選び、処分場を建設する内容。国民の原発不信を背景に処分地選定に30年、処分場建設に20年を要すると見込んだ。電力会社には再稼働の前に、暫定保管計画作りと、核のごみ発生を抑制する総量管理を求めた。
 国は5月、最終処分地について、自治体の応募を待つ手法を改め、国が前面に立って選定する方式に切り替えた。ただ、「暫定保管は、現世代で解決すべき問題の先送りになる」(資源エネルギー庁)として提言を採用していない。
 国の姿勢に対し、今田氏は「『再稼働とごみ処理の話は別』と逃げている。国民の信頼が回復しなければ処分地は選べないはずで、暫定保管計画を作り、時間をかけて問題解決を図るべきだ」と訴える。
 同じく検討委メンバーで東北大大学院の長谷川公一教授(環境社会学)も、国が2030年時点の原発比率を全発電量の20~22%と決めた経緯に触れ「核のごみを無制限に増やさぬよう歯止めをかけるべきなのに、総量管理の考えを採用していない」と批判する。
 
 学術会議は10月10日、提言の実現に向けたフォーラムを東京都内で開く。策定に携わった科学者らによるパネル討論などを予定しており、今田氏は「多くの市民に関心を持ってもらい、政府や電力会社との不協和音を徐々に解消していきたい」と話している。
 
 
<放射性廃棄物>学術会議、暫定保管し論議を
  河北新報 2015年04月29日
 科学者団体の日本学術会議は28日、原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分に関し、「国民的な合意を得られるまで暫定保管すべきだ」とする政策提言書を公表した。原則50年の暫定保管中に合意形成を図り、最終処分地を選ぶとの手順を提示した。原発の再稼働については、暫定保管の計画作りを前提条件とするよう国や電力会社に求めた。
 
 国は、使用済み核燃料の再処理で出る高レベル放射性廃棄物を地下300メートルより深い地層で最終処分する政策を堅持し、処分場選定の準備を進めている。提言書は選定作業を中断し、地上の乾式貯蔵施設で原則50年間、暫定保管するよう要請。保管から30年をめどに、国民の理解を得ながら地層処分などの技術的検討を進めるよう訴えている。
 さらに、暫定保管の計画を策定しないままの原発再稼働を「将来世代に対する責任倫理を欠く」と批判。電力会社には再稼働の前に、各供給エリアに最低1カ所の乾式貯蔵施設を設置するなど、廃棄物対策を具体化させるよう強く求めた。
 提言をまとめた同会議検討委員会の今田高俊委員長(東工大名誉教授)が東京都内で記者会見し「原発への国民の不信は根強く、(現状では)核のごみ問題は前に進まない。暫定保管して国民的合意を得る取り組みが重要」と述べた。
 
 日本学術会議は福島第1原発事故後の2012年、現行の最終処分政策の見直しを国に提言。対応を促そうと、具体的見直し案を盛り込んだ提言書作りを進めていた。