2015年9月5日土曜日

楢葉町5日に避難指示解除 

 全町が避難指示解除準備区域であった楢葉町が5日、避難指示が解除されます。
 しかし空間放射線量や第1原発の現状に対する不安が根強い上、医療や商業などの生活環境がロクに復旧していない状況では帰還が進むかどうかは見通せません
 約7400人の町民の8割が現在いわき市に住んでいますが、ことし4月に準備宿泊が開始されたものの、それに登録した人は351世帯780人に過ぎません。
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<避難解除>楢葉あす帰還開始 全町対象は初
河北新報 2015年9月4日
 政府は、東京電力福島第1原発事故に伴い福島県楢葉町に出している避難指示を5日午前0時に解除する。解除は田村市都路地区東部(2014年4月)、川内村東部(同10月)に続き3例目で、全住民が避難した自治体では初めて。避難指示が出されている自治体は9市町村となる。
 
 楢葉町は面積の8割が第1原発から20キロ圏内。11年4月22日に警戒区域となり、12年8月10日に避難指示解除準備区域に移行した。約7400人の町民は30都道府県に避難し、8割弱がいわき市に住む
 ことし4月、解除に向けた準備宿泊が始まったが、登録は351世帯、780人(8月31日現在)にとどまっている。放射線量や第1原発の現状に対する不安が根強い上、医療や商業などの生活環境が十分に復旧しておらず、帰還が進むかどうかは見通せない
 
 政府は6月、「生命身体に危険の及ぶ状況ではなく、条件は整った」として、お盆前に解除する方針を表明。その後、解除日を9月5日に変更し、7月6日、町に伝達した。6月に閣議決定した新たな福島の復興指針で、精神的賠償(慰謝料)が解除時期に関わらず一律18年3月まで支払われるようになった。
 楢葉町の東日本大震災発生時の人口は8042。津波で13人が犠牲になった。避難中に392人(2011年3月12日以降届け出)が亡くなり、うち112人が震災関連死に認定されている。
 
 町は4日夜から町総合グラウンドで、追悼と希望の灯として2000本以上のろうそくをともし、5日午前0時を迎える。5日午前には復興祈念式典を行う。