2015年9月30日水曜日

浜岡再稼働に前提条件 菊川市議会が意見書を可決

 静岡県菊川市議会は、28日の9月定例会本会議で、浜岡原発について「使用済み核燃料の処分事業や実効性のある広域避難計画が確立されない限り再稼働を認めない」などとする議員発議の意見書を全会一致で可決しました。
 一方、昨年の12月定例会から継続審査していた「再稼働を認めない議会決議を求める請願」は反対多数で不採択になりました
 
   (関係記事)
9月17日 浜岡原発再稼動禁止の請願を不採択 菊川市議会委
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浜岡再稼働に前提条件 菊川市議会が意見書可決
静岡新聞 2015年9月29日
 菊川市議会は28日の9月定例会本会議で、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)について「使用済み核燃料の処分事業や実効性のある広域避難計画が確立されない限り再稼働を認めない」などとする議員発議の意見書を全会一致で可決した。国と県に提出する。昨年の12月定例会から継続審査していた「再稼働を認めない議会決議を求める請願」は反対多数で不採択になった
 
 意見書の要望では、
使用済み核燃料と高レベル放射性廃棄物の処分事業の実証
市民の安全を確保した上で短期間に帰宅可能な原子力災害広域避難計画の策定
災害に対する原発施設の安全性を市民に十分説明する
の3点を盛り込んだ。これらが確実に実施され、「市民の理解が得られなければ再稼働は認めない」と明文化した。
 請願審議では、付託されていた総務建設委員会の小笠原宏昌委員長が「浜岡原発周辺は日本の東西を結ぶ大動脈。事故が起きた場合の影響は大きい」「再稼働の判断を迫られた際に議会として決めれば良い」といった委員会内の議論を報告。採決は賛成4人、反対12人だった。
 
■市民団体の請願、不採択 異例の長期審査に
 菊川市議会が28日に不採択とした浜岡原発に関する請願は、1年近い異例の長期審査となった。議員からは「高度な専門的知識を求められるために時間がかかった」など、原発問題での判断の難しさをうかがわせる声も漏れた。
 
 市議会は請願で指摘された新規制基準の妥当性や浜岡原発の過酷事故対策を検証するため、有識者から意見を聴くなどした。市議の一人は「問題の複雑さや専門性から議論に時間を費やさざるを得なかった」と明かした。
 市が実施した市民アンケートでは浜岡原発の停止継続を望む意見が2年連続で半数を超える。議会は「請願を不採択にしただけでは納得してもらえない」(小笠原宏昌総務建設委員長)と、代わりに意見書を可決することで世論への配慮を示した格好だ。
 
 ただ、請願を出した市民団体の伊藤芳男共同代表は「請願の不採択は残念。意見書は落としどころを探した結果だろう」と批判した。