新潟市で15日、「脱原発をめざす首長会議」と市民団体「原子力市民委員会」の共催で、原発が立地地域の経済や産業に与えた影響を考え今後の地域づくりを探るシンポジウムが開かれ、元首長や研究者らが原発に依存しない地域づくりの重要性を訴えました。
1996年に住民投票原発建設反対を決めた旧巻町の笹口孝明元町長も、茨城県東海村の村上達也前村長を交えたパネル討論に参加しました。
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原発に依存しない地域づくり探る
新潟でシンポ 元首長や研究者ら意見交わす
新潟日報 2017年7月15日
市町村長や首長経験者らでつくる「脱原発をめざす首長会議」と市民団体「原子力市民委員会」(いずれも事務局・東京)は15日、新潟市中央区でシンポジウムを開いた。元首長や研究者らが意見を交わし、原発に依存しない地域づくりの重要性を訴えた。
原発が立地地域の経済や産業に与えた影響を考え、今後の地域づくりを探ろうと、2団体が共催した。
市民委員会座長で九州大大学院の吉岡斉教授らが研究成果を報告。道路整備や一部の産業で恩恵はあったものの「地域全体の経済発展はなく、農林水産業や地場産業は他地域に比べて早く衰退した」と指摘した。
1996年に原発建設の是非を問う住民投票を実施した旧巻町の笹口孝明元町長と、原子力関連施設が集積する茨城県東海村の村上達也前村長を交えたパネル討論も行われた。
笹口さんは反対が多数となった住民投票を振り返り「町の将来を総意で決めることを理解してもらえ、一人一人が十分な判断力を持った結果だった」と強調。在職中に立地自治体の首長として異例の脱原発を訴えた村上さんは「1本だけの『金のなる木』に依存すれば、いずれ地域は衰退する」と力を込めた。