2021年10月25日月曜日

25- 美浜原発3号が運転停止 テロ対策工事未了で 再稼働22年10月か

 運転開始から40年を超える原発としては国内で初めて再稼働した関西電力美浜原発3号機は23テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の設置工事が期限(10月25日)に間に合わず、運転を停止しました。

 再稼働は特重施設が完成する同年10月中旬となる見通しです。毎日新聞が報じました。
 原発賛成派の読売新聞は、これによる冬季の電力需給の逼迫温室効果ガスの削減への悪影響を報じているので併せて紹介します。
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美浜原発3号が運転停止 テロ対策工事未了で 再稼働22年10月か
                         毎日新聞 2021年10月23日
 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は23日、運転を停止し、定期検査に入った。同機は今年6月、運転開始から40年を超える原発としては国内で初めて再稼働したばかりだが、テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重)の設置工事が期限(10月25日)に間に合わず、このまま運転停止状態となる。
 特重の工事完了は2022年9月ごろの予定で、再稼働は同年10月中旬となる見通し。本格運転開始は11月中旬を予定している。
 関電によると、定検では、原子炉容器の金属材料に中性子が当たって劣化が進んでいないか判断するため、炉内に入れていた試験片を取り出して調べる。また、原子炉容器の胴体部分や冷却水の出入り口部分などの溶接部で超音波検査を実施する。【大島秀利】


美浜原発3号機、再稼働から4か月で運転停止…冬場に電力逼迫の懸念も
                         読売新聞 2021年10月23日
 関西電力は23日、美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町、出力82・6万キロ・ワット)の運転を停止した。東日本大震災後の新規制基準で義務付けられたテロ対策施設が、期限内に完成しなかったためだ。
 美浜3号機は、震災後、原発の運転期間を原則40年とするルールができて以降、運転開始40年超の原発として初めて6月に再稼働したが、4か月で停止に追い込まれた。今後はテロ対策施設の建設を進め、来年10月の運転再開を目指す。
 この日、美浜3号機では早朝から核分裂反応を抑える制御棒を原子炉に入れる作業に着手した。送電を止め、原子炉の運転も停止した。
 これにより、国内で稼働中の原発は7基となる。本格的な冬場を迎え、電力需給の逼迫ひっぱくが懸念される。代替する火力発電は液化天然ガス(LNG)や原油価格の高騰で発電コストが上昇している。
 政府は22日に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード(基幹)電源」と位置づけた。原発が総発電量に占める割合を2019年度の6%から、30年度に20〜22%に引き上げる想定だ。テロ対策施設の設置遅れで停止が相次げば、政府が目標とする温室効果ガスの削減目標の達成が危うくなる懸念もある。