2016年11月9日水曜日

09- 今後は原発の客観データを発信へ 原発の団体が協議会

 小出裕章氏が「原子力マフィア」と蔑称するグループから初めてまともな考え方が示されました。
 電気事業連合会や日本原子力研究開発機構などの原発関連団体・機関が、年度内に、インターネットを通じた情報提供を強化するための協議会をつくり、原発のコストや安全性について推進派に有利な情報だけ掲載するのではなく、科学データや客観的な根拠も載せるようにするということです
 
 これまで彼らは、「原発は安全」、「原発の発電コストは安い」、「原発はキレイだ(地球を温暖化させない)」等々、すぐにバレる偽りを言い続けて来ました。
 原発が「安全」で「安い」は、あらゆる情報によって否定されて、もはや言い繕いのしようもありません。
 また「炭酸ガス」を発生させないという言い分も、「発電の段階」に限定すれば言えることであって、燃料の採掘・精製及び使用済み核燃料の処分や廃炉の過程では多大な「炭酸ガス」を発生させることは電事連自身が認めていることです。
 それに発電の過程では、原発は総合熱効率が33%と火力に比べて著しく低いため、冷却用海水が海に戻される際に、火力の1・7倍以上に暖めることも知られています。そんな原発が地球の温暖化の防止に寄与するなどとは口が裂けても言えない筈です。
 
 最近とみに高まっている原発への国民の不信感を和らげるのが狙いということで、あまりに遅きに失していますが、今後は正しい情報を流そうということであれば注目したいと思います
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ネットで原発の客観データ発信へ 電事連など協議会  
日経新聞 2016年11月8日
 電気事業連合会や日本原子力研究開発機構など原子力発電の関連団体・機関は年度内に、インターネットを通じた情報提供を強化するための協議会をつくる。原発のコストや安全性について推進派に有利な情報だけ掲載するのではなく、科学データや客観的な根拠も載せるようにする。東京電力福島第1原発事故で強まった国民の不信感を和らげる狙いがある。
 
 政府の原子力委員会が8日に協議会の設置を提言し、業界団体や研究機関が受け入れた。
 協議会には日本エネルギー経済研究所、日本原子力文化財団、原子力発電環境整備機構など国内の原子力関連の主要な団体・機関が参加する。ウェブサイトに載せるべき情報の種類や編集方針などを話し合い、それぞれのサイトに反映する。客観的な情報が不十分なサイトは是正を求める。
 現在は「原発の電気は安い」「原発は安全」といった情報が根拠を伴わずに載っていることが多く、国民の不信感が増す一因になっている。米英では業界団体がネット上に科学データや参考文献を積極的に載せており、日本もこれに倣う。