柏崎刈羽原発のある柏崎市で、市長選が13日告示(20日投開票)されます。
再稼働を条件付きで認める元市議、桜井雅浩氏(54)と、反対を明言する元市保健師、竹内英子氏(47)の無所属新人同士の一騎打ちとなる見通しです。
当選したばかりの米山隆一知事は静観する構えで、共産党と社民党が竹内氏を推薦する他は与野党とも地元事情を考慮し静観するとしています。
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柏崎市長選 原発再稼働、再び争点 13日告示
毎日新聞 2016年11月12日
東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県柏崎市で、任期満了に伴う市長選が13日告示(20日投開票)される。再稼働を条件付きで認める元市議、桜井雅浩氏(54)と、反対を明言する元市保健師、竹内英子氏(47)の無所属新人同士の一騎打ちとなる見通しで、10月の県知事選に続き原発が最大の争点になるとみられる。当選したばかりの米山隆一知事は静観する構えで、市民の判断が注目される。【高木昭午】
市内では、市議会が柏崎刈羽原発の誘致を決議した1969年ごろから原発を巡る対立が続く。事故への不安は根強い一方で、今年度の市当初予算は、関連交付金や税収が計約77億5000万円で歳入の約15%を占める。
東日本大震災後、同原発は全基が運転を停止したが、柏崎商工会議所が昨年、早期再稼働を求める請願を市議会に提出し17対8の賛成多数で可決された。
桜井氏陣営には、請願に賛成した市議も反対した市議も入っているのが実情だ。
桜井氏は、再稼働に当たって市民の意見を聞く条例制定▽大雪の夜も安全に避難できる態勢作り-などを条件とし、原発政策は推進でも反対でもない「対立の間の細い道を行く」と主張する。健康状態を理由に引退する現職の会田洋市長(69)も賛成、反対両派に配慮し「当面は安全を確保し、将来は依存度を減らす」との姿勢を保ってきており、今回は桜井氏を支持する。
一方の竹内氏は「再稼働は認めない」と言い切る。福島第1原発を抱える福島県大熊町が役場機能を移した会津若松市で、保健師として1年間勤務。原発事故の避難者が家族らと離れ、心身の健康を損なう様子をつぶさに見てきた。「柏崎は原発の話をしにくい雰囲気がある。『事故は起き得る』との前提で語り合って」と訴える。
竹内氏は市議の一部が支援するほか、大熊町議や前福島県双葉町長、反原発の団体や国会議員らが県内外から応援に駆け付ける。
知事選で激闘を演じた与野党は、竹内氏を推薦する共産、社民を除き、地元事情を考慮し静観する。「反原発」の野党3党の推薦を得て当選した米山知事も「住民の判断」と述べるにとどめた。
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刈羽村長選も15日告示される。原発推進派で5選を目指す現職の品田宏夫氏(59)だけが出馬表明しており無投票の公算が大きい。