ベトナム政府は、日本とロシアの企業が建設を担う原発計画を白紙撤回する方針を固め、日本初の原発輸出事例となる物件は白紙に戻る可能性が高くなりました。
この原発計画は民主党政権下だった2010年に合意しましたが、その後、建設費用が当初予定の2・7倍の約2兆8千億円になるなどしたため、財政難や安全性の不安がベトナム新体制下で問題となったものです。
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日本受注のベトナム原発計画白紙 財政難理由、政権輸出戦略に打撃
中日新聞 2016年11月9日
【ハノイ共同】ベトナム政府が、日本などが受注を決めた中部ニントゥアン省の原発建設計画を白紙撤回する方針を決めたことが分かった。ベトナム国会は9日、政府が計画の中止を求める決議案を10日に提出すると明らかにした。
ベトナム共産党は厳しい財政状況を踏まえ、原発計画を見直すよう政府に指示していた。原発輸出を成長戦略の一つに位置づける安倍政権にとって大きな打撃となる。国会は決議案を22日に採決にかける方針で、政府案通りに可決される可能性が高い。
ベトナム電力公社関係者は、原発推進という政府方針自体は変わらないとしているが、同国の原発計画は当面、棚上げ確実だ。