2016年12月3日土曜日

03- 原発事故避難いじめ問題 新潟・群馬・東京でも 教師も

 新潟市でも、原発事故で福島県から家族と一緒に自主避難した小4の男子児童が、同級生から名前に「菌」を付けて呼ばれたり、他の児童からボールを投げつけられたり、「近くを通るな」というそぶりをされたりするなどのいじめを受けていたことが分かりました。
 生徒は6月に続いて11月17日にも担任に相談しましたが、その担任からも今度は22日に名前に「菌」を付けて呼ばれて、児童はショックを受けて24日から学校を欠席しています。両親から学校に連絡があって明らかになりました。
 また東京都内と群馬県でも同じようないじめが起きていたことが分かりました。
 先ずは実態を明らかにすることが事態解決への第一歩です。各府県での厳密な調査が望まれます。
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新潟の小学校 担任、原発避難児を「菌」 いじめ相談後に発言
東京新聞 2016年12月2日 
 東京電力福島第一原発事故で、福島県から新潟市に家族と自主避難している小学四年の男子児童が、担任の四十代男性教諭から名前に「菌」を付けて呼ばれ、一週間以上学校を休んでいることが二日、分かった。新潟市教育委員会が明らかにした。
 
 児童は夏休み前に、担任に「同級生から名前に『菌』を付けて呼ばれているのが嫌だ」という趣旨の相談をしていた。今回の問題の前の十一月上旬に、横浜市に自主避難した中学一年の男子生徒が名前に「菌」を付けて呼ばれるなどのいじめを受けていたことが明らかになっている。
 市教委によると、児童は十一月二十二日に担任から教室で連絡帳を渡された際、名前に「菌」を付けて呼ばれた。児童は二十四日から学校を欠席している。二十二日は早朝に、福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生していた。
 
 十七日にも児童は担任に「同級生に嫌なことをされる」と相談していた。二十四日当日に両親が学校に連絡。別の教諭らが二十九日、クラス全員に聞き取り調査をして確認した。市教委の担当者は「児童から相談があったにもかかわらず、あまりにも不用意で不適切な発言だ」としている。
 
◆各地で避難者いじめ
 横浜市では先月、福島県から自主避難している中学一年の男子生徒が、市立小学校時代に避難者であることを理由にいじめを受けていたことが判明。両親によると、生徒は「菌」「放射能」と呼ばれたり、「賠償金をもらっているだろう」と言いがかりをつけられてゲームの遊興費など多額のお金を支払わされたりしたこともあったという。
 市教委の第三者委員会は、学校側の対応を「積極的に対応する姿勢がうかがえない」「教育の放棄に等しい」などと厳しく批判。市教育長は陳謝に追い込まれた。
 東京都内でも、福島県から自主避難している複数の母親が取材に応じ、子どもが同様のいじめ被害に遭ったことを明らかにした。一方、都教委は横浜市のいじめ問題を受け、被災した子どもの家庭への聞き取り調査などいじめ対策を徹底するよう、区市町村教委や都立高校に通知をした。
 
 
原発事故避難の子どもへのいじめ 群馬でも1件確認
NHK NEWS WEB 2016年12月2日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で横浜市に自主避難した生徒がいじめを受けていた問題を受けて、群馬県教育委員会が県内に避難している児童や生徒を対象に調査を行ったところ、子どもが震災で避難していることを理由に悪口を言われたというケースが1件あり、「いじめがあった」として、保護者にいきさつを説明しました。
 
群馬県教育委員会は、横浜市で起きたいじめを受けて、先月、福島、宮城、岩手の3県から群馬に避難してきている公立の小中学校と高校の児童と生徒合わせて199人を対象に、今年度、いじめを受けたことがあるかや、不登校になっていないかを緊急に調査しました。
その結果、子どもが震災で避難していることを理由に悪口を言われたというケースが1件確認され、教育委員会は「いじめがあった」として、保護者にいきさつを説明しました。
 
教育委員会は、子どもに配慮して、住んでいる自治体や学校名、性別などを明らかにしていませんが、この子どもは同級生から震災に関わる悪口を言われ、近くにいた別の同級生が注意したということです。
その後、悪口はなくなり、現在子どもは登校しているということです。
群馬県教育委員会は、震災で避難した児童や生徒について、最大限の配慮と支援に努めるよう、県内の各教育委員会などに通知することにしています。
 
 
横浜市教委、両親に初めて謝罪…原発避難いじめ
読売新聞 2016年12月02日
 2011年の東京電力福島第一原発事故後に福島県から横浜市に避難した男子生徒(13)が、転校先の市立小学校でいじめを受けた問題で、同市教育委員会は1日、一連のいじめについて、生徒の両親に初めて謝罪したと発表した。
 また、両親からの要請を受け、いじめの具体的内容を明らかにしてこなかった方針を転換し、市議会などで公表することを明らかにした。
 市教委の伊東裕子担当部長らが市内で両親と面会し、「つらい思いをさせて申し訳なかった」などと謝罪した。市教委によると、両親は「どこに行っても、何をやっても解決してくれない無力感があった」と話したといい、伊東担当部長は記者会見で、「改めて申し訳なく思った」と述べた。
 両親は同日、コメントを発表。「なぜ教員や市教委が適切に対応しなかったのか、不明瞭な点が多い。徹底的な検証を」と訴えた。