超党派の79名が参加している議員連盟「原発ゼロの会」は7日、福島原発の事故処理などで膨らむ原発費用を国民の電気料金に上乗せする政府の方針に反対する談話を発表しました。
消費者に負担を求める前に、東電を破綻処理して経営陣と株主の責任を明確にし、資産を売却するなどして資金を捻出するべきであり、政府は「原発は安い」と主張しているのだから、追加負担を求めなくても対応できるはずだと指摘しました。きわめて当然の主張です。
それに対して経産省の説明は何度聞いても一向に納得ができません。
世耕通産大臣の談話も併せて紹介します。
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「東電を破綻処理し責任明確に」 原発ゼロの会、処理費上乗せ反対の談話
東京新聞 2016年12月8日
超党派の議員連盟「原発ゼロの会」は七日、東京都内で記者会見し、東京電力福島第一原発の事故処理など膨らむ原発費用を国民の電気料金に上乗せする政府の方針に対して反対する談話を発表した。国民にツケだけ回す前に、東電を破綻処理して責任を明確にするよう求めている。
経済産業省は「過去に原発でつくった電力の価格は、賠償のための積み立て費用を含まなかったため安かった」として、「過去分」の費用を電気料金に上乗せしようとしている。しかし、価格を決めていたのは大手電力会社と経産省。談話は、両者の「甘かった判断の問題だ」と指摘。消費者に負担を求める前に、東電を破綻処理して経営陣と株主の責任を明確にし、資産を売却するなどして資金を捻出するべきだと主張した。
また、予定より早く廃炉を決めた原発の廃炉費用の一部も電気料金に上乗せする方針に対しても、「政府は『原発は安い』と主張しているのだから、追加負担を求めなくても対応できるはずだ」と指摘した。
そもそも経産省は、必要な費用の見積もりを明らかにしないまま、有識者会合を設置して電気料金への上乗せなど国民に負担させる手法だけ先に固めてきた。会見で河野太郎共同代表(自民党)は「議論の前提となる数字が出てこないことに、自民党からも経産省に対して強い不信感が出ている」と批判した。
原発ゼロの会には、与野党の議員七十八人が参加。河野氏ら自民党の議員も四人加わっている。
世耕大臣「原発コスト安い」強調…廃炉費用増加でも
テレビ朝日 2016年12月7日
東京電力福島第一原発の廃炉と賠償費用が膨らんでいることを受け、世耕経済産業大臣は「原発コストは安い」と改めて強調しました。
世耕経産大臣:「色んな費用を全部、含めたとしても発電単位あたりのコストは原発が一番、安いと考えている」
廃炉と賠償などの費用は事故後の見積もりから数兆円単位で増大していて、経産省は国民負担を増やす方向で議論を進めています。そうしたなか、世耕大臣は、新たな費用を考慮しても原子力の発電コストは他の発電よりも安いと説明しました。経済産業省内には廃炉や賠償の費用が20兆円に上るとの試算もあるものの、公表されていません。経産省は今月中に議論を取りまとめる方針です。