2016年12月13日火曜日

13- 甲状腺検査 自主参加にと提言 危険な考え  

 現行の福島児童の甲状腺検査に対して、日本財団の笹川陽平会長は9日、県庁を訪れ、「検査を自主参加にすべき」とする提言書を提出しました。提言は福島県民健康調査検討委員会で検討します。
 財団の提言は、現行の甲状腺検査で極めて高率でがん患者が見つかっているのは、スクリーニング(集団検診)効果によるもので「過剰診断」だ、という考え方によるものです。
 
 「スクリーニング効果で高率になるのは困る」というのは「発生率を隠蔽したい」という考え方に他なりません。
 もしも「高率ではない」と言いたいのであれば、福島原発事故の影響の少ない九州あたりでいわゆる「ブランクテスト」を行って同率になることを証明すれば済むわけです。それを放射能起因の疑いがあるにもかかわらず、検査自体を止めてしまうというのは「予防原則」にも反します。
 また現実にがんが確認されて切除する手術が行わているのを「過剰診療」だとする意見もありますが、執刀した医師たちは勿論認めていません。これも「過剰診療」が証明されない限りその主張に合理性はありません。
 
 きむらとも氏はツイッターで、「自主参加にすることによって、検査を希望する親は、まだ気にしている変な人との目で見られ、検査など必要ないと考える親と分断されることに繋がらないかが非常に心配だ」と述べています説得力のある指摘です。
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甲状腺検査「自主参加に」 日本財団、国際会議受け福島県に提言
福島民友 2016年12月10日
 原発事故当時18歳以下の県民を対象とした甲状腺検査を巡り、日本財団の笹川陽平会長は9日、県庁を訪れ、「検査を自主参加にすべき」とする提言書を内堀雅雄知事に提出した。内堀知事は「大事な提言として受け止める」とし、提言を参考に県民健康調査検討委員会で議論を尽くす考えを示した。
 財団が9月に福島市で主催した甲状腺に関する国際専門家会議での議論を踏まえて提言した。国際会議では「福島県ではスクリーニング(集団検診)により甲状腺がんが見つかっている」とし、感度の高い機器を使った検査で多数のがんが見つかる「過剰診断」の可能性が指摘されていた。
 
 提言では、検査は個人と集団全体のリスクや利益などを分析した上で決定されなければならないとし、自主参加であるべきと指摘。その上で放射線や健康問題について豊富な経験を持つ世界保健機関(WHO)や国際原子力機関(IAEA)などの協力が重要とし、専門作業部会を開いて今後の検査体制の方向性を示すよう求めた。また甲状腺異常が発見された場合、対象者らに予後(病状の見通し)やリスクなどを明確に説明する必要もあるとしている。
 
 笹川会長は「チェルノブイリ原発事故と今回の事故は放射線量が圧倒的に違う」と強調。同席した長崎大の山下俊一副学長は提言書の提出後に「検査の妥当性を踏まえ、自主的な参加について専門作業部会で議論し、国際的なコンセンサス(意見の一致)を得ることが重要だ」と述べた。笹川記念保健協力財団の喜多悦子理事長が同行した。
 
 
きむらとも ツイッター 
2016年12月10日
きむらとも ツイッター 12月10日
『甲状腺検査「自主参加に」』これによって、検査を希望する親は、「まだ気にしている変な人」との目で見られ、「検査など必要ないと考える親」と「分断」されることに繋がらないかが非常に心配だ。
いや、それが「目的」ではないかとさえ、思われる。
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