福島原発事故に伴う健康影響を調べる県民健康調査検討委が、原発事故と甲状腺がんとの因果関係を科学的に検証する第三者機関の設置を県に提案しました。県は「どのような場を設ければいいか国とも相談しながら検討していきたい」と、設置に向けて検討に入る方針です。
これまで県の検討委は福島児童の甲状腺がん検査結果を報告する度に、判でついたように患者の多発について「現時点で放射線の影響は考えにくい」と述べてきました。しかしそんな政治的な発言を真に受ける人はほとんどいなかった筈です。当の県や国もそうだったのではないでしょうか。
従って検討委に放射能の影響についての判断を委ねるのは全く無意味であり、星座長が言うとおり、「中立、科学的な立場で甲状腺がんへの放射線の影響を評価できる組織に判断を委託」するしかありません。
問題はその人選であり、県や検討委の意向を忖度するようなメンバーであれば無意味です。人選を行う県がそこまで腐っていないことを祈るのみです。
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「第三者機関設置」提案 原発事故と甲状腺がん 科学的に検証
福島民友 2016年12月28日
東京電力福島第1原発事故に伴う健康影響を調べる県民健康調査検討委員会は27日、福島市で会合を開き、原発事故と甲状腺がんとの因果関係を科学的に検証する第三者機関の設置を県に提案した。県の井出孝利保健福祉部長は「専門家がいる学会や国際機関を含め、どのような場を設ければいいか国とも相談しながら検討していきたい」と述べ、設置に向けた検討に入る方針を示した。
星北斗座長(県医師会副会長)は会合で「中立、科学的な立場で甲状腺がんへの放射線の影響を評価してもらうことが県民の理解につながる」と提案した。ただ、人選や議論の方法などは示されていない。
検討委の評価部会は昨年3月、甲状腺がんについて「放射線の影響は考えにくい」との中間報告をまとめている。しかし識者からは、中間報告を肯定、否定する両論があり、第三者機関で新たな評価を得たい考えがあるとみられる。
星座長は検討委や評価部会でも継続して検証を進めるとした上で「第三者としての意見をいただき、それをベースにまた考えたい」と述べた。
一方、県に対しては甲状腺検査の手法を巡って規模縮小を含めた見直しや拡充を求める両論の要望が出ている。検討委は前回会合から検査の在り方について議論を始めており、第三者機関の評価が議論にも影響する可能性がある。