横浜市や新潟市などで福島県から自主避難している生徒が、生徒仲間からいじめにあっていることが問題になっていますが、東京・千代田区の区立中学校でも、やはり福島県から自主避難している生徒が同じ学年の生徒3人からお菓子など合わせておよそ1万円分をおごるよう要求されていたことがわかりました。生徒は同学年の15人から「避難者」呼ばわりされていることも訴えています。
新潟市では小4の避難者の生徒が担任の教師から名前にばい菌の「菌」をつけて呼ばれてたショックで学校を休んでいますが、市教委は12日から再発防止に向けた職員・教職員の研修会を始めました。今月中に市内のすべての小中学校で、教職員を対象にした研修会を行うことにしています。
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原発事故避難の中学生 同学年3人からおごるよう要求される
NHK NEWS WEB 2016年12月13日
東京・千代田区の区立中学校で、原発事故の影響で福島県から自主避難している生徒が同じ学年の生徒3人からお菓子など合わせておよそ1万円分をおごるよう要求されていたことがわかりました。区の教育委員会は経緯を詳しく調べています。
千代田区教育委員会によりますと、原発事故を受けて福島県から千代田区内に自主避難している中学生の生徒が、同じ学年の3人から「おごってよ」などと要求され、コンビニでドーナツやジュースをおごっていたということです。
金額は合わせておよそ1万円分で、学校の調査に対して生徒は「『みんなに避難者とばらすぞ』などと言われ、おごってしまった」と話しているということです。
先月下旬に生徒と母親からの申告を受けて学校が調査してわかったということですが、時期や回数は特定できていないということです。
生徒は、ほかにも、同学年の15人に「避難者」と呼ばれたと話しているということですが、学校の調査に15人はいずれも否定しているということです。
千代田区教育委員会は「学校でこうした事態が起きたのは残念であり、再発防止に努めたい」としていて、今後、弁護士などの外部の専門家を加えて再度、生徒たちへの聞き取り調査を検討しているということです。
原発事故を受けて、自主避難している児童や生徒をめぐっては横浜や新潟でいじめを受けたケースが相次いで明らかになっています。
原発避難いじめ問題 新潟市教委の研修会始まる
NHK NEWS WEB 2016年12月13日
新潟市の小学校で、原発事故のあと、福島県から避難してきた児童が担任の教師から名前にばい菌の「菌」をつけて呼ばれたとして学校を休んでいる問題を受け、新潟市教育委員会は、12日から再発防止に向けた研修会を始めました。
この問題は、原発事故のあと、福島県から新潟市へ避難してきた小学4年の男子児童が、担任の男性教師から名前にばい菌の「菌」をつけて呼ばれたとして、先月下旬から学校を休んでいるものです。
担任の教師は児童から「同級生からばい菌のような扱いを受けた」と相談を受けていたということで、新潟市教育委員会は、配慮を欠いた発言だったとして、12日から再発防止に向けた研修会を始めました。
教育委員会の職員70人が参加し、前田秀子教育長が「福島がどのような状況で避難してきているかの説明やこどもに寄り添う意識が不十分だった。人権感覚を磨き、二度と起こさない強い決意で臨んでほしい」と呼びかけました。
このあと研修会では、子どもたちに対しては、一人一人の目線に立って気持ちを考えることや、発するサインを見逃さないことが大切だと確認しました。新潟市教育委員会では、今月中に市内のすべての小中学校で、教職員を対象にした研修会を行うことにしています。