2016年12月31日土曜日

31- 東通原発が建設凍結でも 事業報酬22億円/年を電気料金に

 事実上建設を凍結している東通原発(工事進捗率9.7%で凍結)を資産(約760億円)に含めて、事業報酬率2.9%を掛けた22億円を毎年電気料金に含めていたことが分かりました。2012年以降の4年間では88億円になります。
 東電は、「事業報酬事業に必要なコストとして料金に含めることを認められている」として、電気料金への算入を止めるつもりはないということです。
 要するに電力会社にとっては「打ち出の小づち」である総括原価方式を既得権?として今後もそれに拘るということで、経産省が一方で電力自由化を叫びながら他方では競争原理が働かないような仕組みを作っていることの反映といえます。常識で考えれば明らかにおかしい話です。
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建設凍結でも料金転嫁 東通原発、年22億円 稼働見通し立たず・東電
 時事通信 2016年12月30日
 東京電力が建設を事実上凍結している東通原発1号機(青森県)を資産として扱い、株式配当などに充てる「事業報酬」として年22億円を電気料金に含めていることが30日、東電への取材で分かった。
 建設中の施設を資産に含めて計算し、電気料金に算入することは認められているが、東電は完成や稼働の見通しが全く立たない原発の分も含めて契約者に転嫁していたことになる。
 福島第1原発事故を受け、東電は業績が大幅に悪化。2012年5月、電気料金の値上げを経済産業省に申請した。家庭向けは平均で846%増と決まり、同年9月に値上げを実施した。
 
 東電によると、この時の値上げ審査で、建設途中の東通原発を資産として料金原価を計算し、認められた。事業報酬率29%を掛けた年22億円が電気料金に含まれている。
 値上げから4年が経過し、契約者の負担は88億円を超える計算だ。東電は16年3月期まで3期連続で黒字決算となっているが、料金原価から東通原発の事業報酬を除外する予定はないという。
 東電の東通原発1号機は、11年1月に本体工事を開始。2カ月後に福島第1原発事故が発生し、進捗(しんちょく)率97%のまま建設はストップした。隣接する東北電力東通原発を現地調査した原子力規制委員会の調査団からは、東電の敷地内に活断層が延びているとの指摘も出た。
 
 東電は取材に対し、東通原発の事業報酬について「事業に必要なコストとして料金に含めることを認められている」としている。建設工事に関しては「立地地域をはじめ、社会の皆さまのご意見、当社の経営状況を踏まえ決定する」と説明した上で、「(10年の)設置許可時点で考慮すべき活断層はないと認められた」と主張している