柏崎刈羽原発の免震重要棟の耐震性不足を隠蔽していた問題で、東電が柏崎市と刈羽村の全世帯約4万1千軒を訪問し、問題の説明と謝罪を行う方針であることが分かりました。
免震重要棟の耐震性不足は隠蔽の最新版ですが、東電の隠蔽体質が最初に明らかにされたのは実に2000年のことで、福島第一及び第二原発、柏崎刈羽原発の自主点検報告書中に29カ所に渡って事実の隠蔽乃至虚偽記載が行われていることを、実際に点検を行ったGE社の米技術者が内部告発しました。
後にその内容が明らかにされると当然メディアなどから大バッシングを受けましたが、東電の隠蔽体質は基本的には変わらずに現在に至っていると思われます。
全戸謝罪を単なるパフォーマンスではなく、隠蔽体質を完全に克服する契機にして欲しいものです。
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柏崎原発 東電 2自治体の全世帯に謝罪へ 誤った説明で
NHK NEWS WEB 2017年5月11日
東京電力は、新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所をめぐり、国の審査で誤った説明を続けていたことなどについて、原発が立地する2つの自治体のすべての世帯を社員が回り、謝罪や説明を行うことを公表しました。
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発をめぐっては、ことし2月、原子力規制委員会の審査で「免震重要棟」という緊急時の対応拠点の耐震性について誤った説明を続けていたことが明らかになり、規制委員会からこれまでの審査全体を点検するよう求められています。
また、新潟県の米山知事などからも、東京電力の対応に厳しい意見が出ています。
この問題を受けて、柏崎刈羽原発の設楽親所長は11日の定例会見で、「原発が立地する柏崎市と刈羽村の住宅を社員が訪問し、免震重要棟の問題などを直接、丁寧に説明する」と述べました。
対象は2つの自治体の全世帯、およそ3万6000世帯で、今月下旬からおよそ4か月かけて、今回の問題などについて謝罪や説明をするとしています。
柏崎刈羽原発の審査は終盤を迎えていますが、再稼働にあたっては地元の同意が必要とされ、東京電力としては、地域の不安を払拭(ふっしょく)したいという狙いがあるものと見られます。
米山知事「同じことを繰り返さない体制を」
東京電力の今回の対応について、新潟県の米山知事は定例会見で、「少なくとも説明不足については反省をしてほしい。謝る以上は悪いと思っているということであり、よいことだと思うが、謝って終わりではない。同じことを繰り返さない体制を作ってほしい」と指摘しました。
一方、原発の地元の住民からも、さまざまな声が上がっています。このうち柏崎市の41歳の男性は、「誠意の見せ方なんだろうが、説明をいただけるのはありがたい。再稼働に賛成の人もいれば反対の人もいるので、市民の意見をしっかり聞いてほしい」と話していました。
また76歳の女性は、「心配が先に立っているので、東京電力がどう言って自分を納得させることができるか、そして私がそれを聞いて納得できるかはわからない」と話していました。
さらに74歳の男性は、「謝ればいいという問題ではないと思うので、簡単にはいかないと思う」と話していました。一方、刈羽村の58歳の女性は、「誠意があるとは感じる。うそや隠しなく、しっかりと伝えてほしいと思う」と話していました。