新潟県は、柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り今後の県の検証に生かすために、福島原発事故で福島県から全国に避難した人たちの避難生活の実態調査を委託する事業者の公募を始めました。
調査は避難生活の全体像を明らかにする総合的調査とテーマ別調査の2種類を実施し、総合的調査では避難者数の推移、住宅や家族、収入・支出といった避難者の身辺に起きた変化を調べます。
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原発事故避難生活の実態調査へ 県、委託事業者を公募
新潟日報 2017年5月26日
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り、(新潟)県は24日、東電福島第1原発事故による避難生活の実態調査を委託する事業者の公募を始めた。調査は、柏崎刈羽原発の現状での再稼働を否定している米山隆一知事が主導する取り組み。福島県から全国に避難した人たちの実情を把握し、今後の県の検証に生かす。
避難生活の全体像を明らかにする総合的調査と、テーマ別調査の2種類を実施。総合的調査は避難者数の推移、住宅や家族、収入・支出といった避難者の身辺に起きた変化を調べる。シンクタンクなどの応募を想定し、委託費用1千万円以内で1者を募る。
テーマ別調査は、事業者自身が選んだ個別の課題について調べてもらう。研究者や避難者支援団体など3者以内を募り、委託料は1者当たり100万円以内。
米山知事は(1)東電福島第1原発事故の原因(2)事故が健康と生活に及ぼす影響(3)安全な避難方法-の3点の検証がなされない限り、「再稼働議論はできない」としている。
事業者がまとめた報告書は、県が6月にも立ち上げるとする(2)と(3)に関する検証委員会のうち、(2)の「健康・生活委員会」に提出される予定だ。委員は県が選定を進めている。
募集要項は県ホームページで公開している。6月26日に企画提案を締め切り、7月中に審査・契約する。来年1月に最終報告書の提出を受ける見通し。県震災復興支援課は「総合的、テーマ別に調査することで、避難生活のさまざまな側面が浮き彫りになると考えている」としている。
震災復興支援課によると、福島県から同県内外に避難した人の数は、2012年5月の16万4865人がピーク。ことし4月13日現在では6万8974人となっている。福島県から本県に避難してきた人は、ピークの11年3月は8436人だったが、ことし4月末現在では2825人となった。