放射能汚染のために帰還困難区域に指定されている福島県内の山林で起きた、大規模な山火事によって放射能が飛散する惧れを記述したネット上の文書に対して、産経新聞などは盛んにデマ情報であると非難しました。
しかし降雨の度に低地や湖沼・河川に放射性物質が流出している現実がある以上、山火事によって上空に放射性物質が舞い上がり、それが最終的に風下で着地して汚染させることは明らかです。
林野庁が放射能汚染に関する現地調査を開始しました。調査が合理的な範囲について行われ、どんな結果になるのかが注目されます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
帰還困難区域での山火事 林野庁が放射性物質の調査
NHK NEWS WEB 2017年5月17日
原発事故の影響で帰還困難区域に指定されている福島県内の山林で起きた大規模な山火事を受けて、林野庁は、放射性物質が周辺に広がるおそれがないかなどを確認する現地調査を始めました。
先月29日に福島県浪江町の帰還困難区域の国有林で起きた山火事は、強い風にあおられて12日間にわたって燃え続け、隣接する双葉町も含めて合わせて75ヘクタールが焼けました。
この山火事を受けて、林野庁は、17日から6年前の原発事故で放出された放射性物質の状況などを調べる現地調査を始めました。調査には、林野庁の職員のほか放射性物質や山火事に詳しい専門家、それに地元自治体の職員などが参加し、防護服を着込んだあと現場に向かいました。
林野庁によりますと、調査では、落葉が燃えて土がむき出しになった影響で空間の放射線量に変化がないかや、土壌に含まれる放射性物質が土砂崩れなどで周辺に広がるおそれがないかなどを確認するということです。福島県によりますと、これまで周辺の放射線量に目立った変化はないということです。
調査は18日まで行われ、林野庁は結果の分析をおよそ1か月かけて行ったうえで、来月中に内容を公表したいとしています。